ひび割れた瞳 4 ページ29
ボートを漕いでいるとあなたが目を開けた。
「海人？？えっ、、ここ、、どこ？」
あなたは見慣れない景色を見回し、そして自分な巻かれた鎖の存在に気づき、怯えるような表情した。
「起きたんだね。ここはね、僕の1番お気に入りの湖。」
「どうしてこんなところに？この縄は何？」
「この湖はね、人は滅多に来ないんだ。
ここなら、汚い世界の目から逃れられるよ。」
「ねぇ、ちゃんと質問に答えて！！」
あなたが怒ったような怯えたような声で叫ぶ。
「じゃあ、教えてあげるよ。
あなたに初めて出会った時、僕はあなたに恋した。
でもあなたには、忘れられない人がいた。
今隣にいてあなたを支えているのは僕なのに、誰よりもあなたのことを好きなのは僕なのに、あなたは僕に見向きもせず、死んだ奴のことばかり考えてた。
そいつの時の同じ状況になれば僕のこと見てくれるかなって思って、わざと週刊誌に写真を売った。
せっかく作家としての成功を掴みかけてたのに、それを捨てでもあなたが欲しかった。
なのに、、、
なのに！！！！
あなたは未だに俺のことを見ない！！！
だから、嫌でも僕のことを見させてやる。
この際あなたの記憶にどんな風に僕が残ってもいい。
あなたが1度でいいから、僕だけのことを見てくれるなら、、、、
僕越しの"優太さん"をみようとしないなら！！
あなたの最後の記憶になる。」
「海人、、、そんな、、、待って、、」
あなたが信じられないものを見るかのような表情で僕を見る。
その瞳には、"優太さん"はいない。
喜びに震え、微笑む僕だけがいた。
僕が初めて"優太さん"に勝った瞬間だった。
「待って、勘違いだよ！ぼくも海人と同じ気持ちだった。優太さんともお別れしようとしてた！」
「そんな嘘聞きたくない！
僕はあなたの最後に記憶なり、僕の最後の記憶に美しいあなたが残ればいい。」
あなたの左手に巻きつけていた鎖の反対側の端を自分の右手に巻きつけ、あなたの手を握る。
「これで離れ離れにならないよ。
2人でこの湖の底で眠ろう。
ここなら二人きり、世界から何か言われることも無いよ。」
鎖の重みに身を任せ、2人静かに湖に飛び込む。
空には満点の星空が広がっていた。
−−−−−−−
リクエストありがとうございました！
狂愛ではないかも、、
でもけっこうお気に入りです
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こまめ(プロフ) - Ruiさん» ありがとうございます！こちらがいっぱいになってしまったので、移行先の方で「魅惑の香りに誘われて」の続編を書きたいと思います！気に入って頂けて嬉しいです。 (2020年5月20日 2時) (
レス) id: 4fef58dc44 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - コメント失礼します。この作品大好きです！特に「魅惑の香りに誘われて」を見ててすごく楽しかったです！続きを見てみたいです。←語彙力が… (2020年5月16日 21時) (レス) id: bbdbf418af (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - number0042さん» お気遣いありがとうございます！拙い文章ですがそう言っていただけて良かったです！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: 4fef58dc44 (このIDを非表示/違反報告)
number0042(プロフ) - はじめまして！いつもこそこそとこまめさんの作品をみているものです〜。外に出れず、ストレスがたまる一方ですが、お体にお気をつけください！こまめさんの作品をいつも楽しみにしています！！ (2020年4月13日 22時) (レス) id: 2908b27432 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - なす。さん» リクエストありがとうございます！ご期待に添えるか分かりませんが、書いてみます！ (2020年2月15日 2時) (レス) id: 4fef58dc44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こまめ | 作成日時：2020年1月7日 3時
