僕らの英雄的奇譚 (ページ18)

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続。ページ18

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「はよ家入らんの？」
「もしや誘ってる...？」
「誘う？あ、ココア飲んでって」
「Aで」
「意味わからん」

とりあえず早く入れよ、風邪ひくぞと環を家に押し込む。環にとっては、その優しさすら自身の下半身に痛いようでまた悶えていた。とんだド変態である。

キャラ崩壊も然る事乍ら、最早環の人格はそろそろ崩れつつある。加えてだんだん相澤も変態としての名を上げつつある。荒言争奪戦に関しては、この2人のデッドヒートか、もしくは第三者が現れるか。どちらにせよ、この天然記念物をその手中に収める事ができるのはたった1人しか居ないわけで。キャラやら立場やら全てを捨てた、1人の男としての荒言の隣の座をかけた戦いは既に始まっている。

そんなことも露知らず。
呑気にココアを淹れる荒言であった。

「環」
「なに？」
「とりあえず離してくれ」
「何故？」
「何故？？？？」

え、胸揉まれて離してって言ったら普通は離してくれるもんじゃないの？？？というか何故胸を？？？？？？？

最近輪をかけてスキンシップ、というかセクハラ行為が増えている環に、そろそろ疑問符が飛び交う。つまりそれが指す意味というのは、環の荒言に対する邪な考えが露呈しつつあるという事だ。それに、あの天然記念物と称される荒言ですら違和感には気づいている。簡単に言えば、自重できていない。どれ程荒言に対してドロドロとした感情を向けているのか、本人ですら分かっていない。それは相澤にも当て嵌るだろうが、まだ教師という立場が邪魔をしているのか理性がぷっつん(最近は頻度が高いが)する時のみ、その変態さは真骨頂を発揮する。

今の状況といえば、密室に荒言と2人きり。
環は膝に乗せた荒言を後ろから覆い被さるように抱き締め、胸を揉みしだいている。
理性など、とうの昔にぷっつんしていた。

(すまない、ミリオ。)

俺は先に大人の階段を上るｯ！

と、訳の分からない事をこの場には居ない、尚且つ荒言に対して劣情を寄せるもう1人の人物に心の中で呟く環。
荒言の膝裏に手を差し込み、背中にもう片方の腕を回してゆっくり立ち上がる。
俗に言うお姫様抱っことやらをされた荒言は、突然の事にまたもや疑問符でいっぱいだった。

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