#7.9 ページ16
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「もう大丈夫。
私が、きた」
「あ、すみません...取り逃してしまいました。相澤先生は気を失っています、早めの処置を。後は1年A組の皆を宜しくお願いします。」
「...A君、君が敵を？」
「ええ、まあ。...逃がしましたが。
それに、消太先生にも大怪我を、」
相澤が大怪我した事を自身のせいだと顔を歪める荒言は、オールマイトが知っている中でもかなりの自己犠牲精神の持ち主である。緑谷と似たような何かを感じ、オールマイトは力強く抱き締めた。
「＿いいや。よくやってくれた。
君はこの中で誰よりもヒーローだ。怖かっただろう、よくここまで耐えてくれた。
...だが、無茶をするのは駄目だぜ。自分のキャパと、そして身体と、きちんと話し合うんだ。君が死んでしまっては、敵をたとえ倒せたとしても誰も喜びはしない。そんなの本末転倒だ。」
「はい...っすごく、すごく...怖かったです。
救けにきてくれて、ありがとうございます、っ
消太せんせ、せんせいを、救けてください...っ」
「...うん。後は任せなさい。」
そして、ゆっくり休むように。
そう言ってオールマイトは荒言を救急車へ乗せた。オールマイトが相澤と同じ救急車へ乗せずとも、自分は大丈夫だと言い張り相澤と共に行くであろうことが簡単に予想され、なんとも言えない感情が広がる。意外と頑固な荒言に対して配慮したオールマイトだったが、自分の思考が当たり前にそう染っていることに気づいた。荒言はいつも、自分を大切にしない。まず他人を優先する。
(本当はもっと、年相応に泣いて、怒って、喜んで、感情をもっと顕にして欲しいんだがなぁ。)
A組の生徒によってそこかしこにのびている下っ端敵達は、やってきたオールマイトを始め、雄英の職員＿基、プロヒーロー達に連行されていった。
負傷した相澤は病院へ。荒言も同行した。
かくして、USJ事件は幕を閉じたのであった。
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作者名：らーめん | 作成日時：2020年1月19日 15時
