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_じいちゃんか死んだんだ。
そう告げる彼の顔は辛そうに歪んでいて。今にも泣き出してしまいそうなその姿に、思わず手を伸ばしてしまいそうになる。
いかんいかん。と心を落ち着かせ、彼の言葉に耳を傾ける。
『この店も、じいちゃんのでさ。まぁ見ての通り、今は俺がこの店を継いでるんだけどね。
...やっぱり俺には無理だったのかなぁ。なんというか、俺要らなくね?みたいな。』
なんでそんなこと言うんだよ、
『いやぁ、じいちゃんの淹れた珈琲飲みにくる人ばっかでさー。俺の居場所がない、というか。ははは。』
なんで無理に笑うんだよ、
『亡くなりましたって言うと、必ずといっていいほど来た人皆が残念そうにするから、なんか申し訳なくて。』
なんでそんな、
『...やっぱじいちゃんには適わねぇや。』
_諦めた
『大好きな人がいなくなるって、こんなに苦しかったっけ...っ、?』
「なんで、」
『へ、』
「なんでそんな顔で笑うんだよ...っ」
悲しいはずなのに、苦しいはずなのに、そこまで無理して笑う理由が、俺には分からなかった。1人では対処できない程のたくさんの感情が、瞬く間に大きな波となり一気に押し寄せる。
「_要らなくなんかねぇよ。
現に、俺は必要としてる!!要らないなんて誰が言った?それはお前が勝手に決めつけて、逃げてるだけじゃねぇか!!
辛いのも、悲しいのも、苦しいのも、どんだけのものか俺には分かんねぇけど、けど...っ!お前が無理して笑わないようにずっと傍にいることだけはできる!!だからそんな...っ」
諦めた顔するんじゃねぇ、と言い終わるや否や、彼を思いっきり抱きしめる。
...ぜってー離さねぇかんな。
_というか、勢いに任せてあんなこと言っちゃったけど、だ...いじょうぶ、だよな。うん。俺としては、傍にいれるのであればそれ以上に嬉しいことはないんだけ、ど。...拒否られたらどうしよう。そんなんされたら一生立ち直れねぇわ。うわー、結構恥ずかしいこと言ったよな、俺。うわああああああ!
_軽く、脳内パニックに陥っていると、先程まで大人しく俺の腕の中にいた彼がもぞもぞと動き出した。
『...すげーよ、諒。
そんなん初めて言われた。』
ありがと、そう言って笑う彼は今までで1番輝いていた気がした。
─────
語彙力低下。(いつも)
...更新日、固定しようかなぁ。
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らーめん(プロフ) - 餅飴さん» うおああああああああああほんとですか!?ありがとうございます…!!これからも時間を見つけ次第、ちょくちょく更新していくのでよろしければ応援のほど、よろしくお願い致します! (2018年1月16日 22時) (レス) id: c96bf80dd4 (このIDを非表示/違反報告)
餅飴(プロフ) - うううすごく大好きですこのお話…!というからーめんさんの作品が大好きです!!更新楽しみにしてます、頑張ってください! (2018年1月14日 12時) (レス) id: 096984379d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らーめん | 作成日時:2018年1月8日 17時