愛し君へ【黒】 (ページ17)

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17 日曜日のランチ(Ren) ページ17

Aさんが予約してくれていたイタリアンバルへ入る。
雑誌やテレビで紹介される人気店だとAさんが言ってたけど、この日も家族連れや女子たちで賑わっていた。

二人掛けのテーブルに向かい合って座る。

Aさんをソファー席の方へ促すと、ありがとうと言いながら、ソファーに浅く座って、膝を揃えてまっすぐな脚を横に流して…とても綺麗に座った。

「日曜日だから、少し騒がしいかな…。
目黒くん、ごめんね…狭くない？」

テーブルの向こうでAさんが声をかけてくれる。

「全然。大丈夫だよ」

隣のカップルの声も近くで聞こえるくらいぎゅうぎゅうだけど。
オリーブオイルと香辛料と…香ばしい料理の香りが店内に広がってて。

周りのテーブルに運ばれてくる料理がめちゃくちゃ美味しそう。この騒がしい店内に似つかわしくないくらい繊細なものから、大胆な肉の塊まで、見ているだけで目が楽しい。

お店の内装もお洒落なだけではなく、ラフな雰囲気もあって心地良い。

Aさんが敢えてそういうお店を選んでくれたのかな。

「どれも美味しいの。目黒くんのお口に合えばいいな」

向かい合わせに座ると、視界に入るのはAさんただ一人。

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