僕らの一番星 (ページ12)

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side A

魅入ってしまった、という言葉が正しいと思う

ずっと体が固まっていた

トントン、と後ろから叩かれて、ザワザワした教室の音が耳に入ってきた

｢Aちゃん？｣

｢なっ、なに｣

驚いて後ろを振り返る

｢…大丈夫？あの人、Aちゃんの隣に来るみたいだけど｣

｢あ…｣

空いている隣の席を見る

｢じゃあ、自己紹介して｣

見た目とは裏腹に、すこしオドオドして

｢あ…ムンジュンフィです…｣

チラチラ私達を見て恥ずかしそうに挨拶した

…意外
イケメンだからもっと横柄な感じかと思ってた

すごく失礼なことを思いながら綺麗な彼をじっと見る

ムン、ジュンフィくん

今日から、私の隣の人かぁ

｢じゃ、ムン。そこの空いてる席座って｣

｢…はい｣

先生が席を指さすと、彼と私の目が合った

ぐっと吸い込まれるように見てしまう

実際は1秒も目が合ってないのかもしれないけれど、感覚が狂って、ずっと見つめていた気がする

｢お、おかしいなぁ｣

顔がぽあぽあ熱くなってきた

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