Re:sky【遠野日和】 (ページ45)

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Eclipse* ページ45

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『泣いたら許すと思った？』

見下すような視線に、嘲笑うように台詞を吐き捨てる日和。

私だって泣きたいわけじゃないのに、
生理的に涙が出てくるんだ。

自分でも、感情の整理ができないんだよ。

嗚咽混じりに昨日のことを全て話した。
その先輩に嫉妬したこと、敗北感を覚えたこと。

あと。

『2人をお似合いだと思った』ことも、全部。

「それが1番悔しくて、悲しかった…」

彼女である私自身じゃなくて。

背が高くて、美人で、スッと伸びた姿勢も、
綺麗で長い髪の毛も、笑顔だって、全部。

釣り合ってた。

その先輩にだけじゃない、

きっと日和にはもっと相応しい人がいるんだって、
昨日の2人の姿を見て、思ってしまったんだ。

「………」

強く抱き締めてくれる日和に
上手く纏められなかったけれど、そう伝えた。

「日和を何回も同じことで怒らせてさ」

「え？」

「他の人なら、こんなことにならないんだろうなって」

「どういうこと」

「自信、なくなった…日和の彼女でいる自信」

３年付き合ってて、
自信がなくなることも別れそうになったことも
そりゃ何回かあったよ。

でも、色々重なって、今回本当に強く思ってしまった。

「…………全部、私のせい、自業自得だけど」

「……何で、今更、」

「…私じゃなきゃいけない理由がなかった」

「は、」

全部、私が私自身に対する自信を失くしたせいだよ。

周りには魅力的な人なんて沢山いるのに、
私に執着する理由なんてないでしょ。

『大学離れたら絶対別れるってぇ』なんて、
あの時のソウタ先輩の台詞が頭をよぎる。

「そんなん、"僕がキミを好きだから"じゃ足りない？」

「自信とか要らない」

「キミが隣にいてくれるだけで良いのに、」

「先輩とお似合いとか、他に相応しい人がいるなんて
何で好きな人にそんなこと言われなきゃいけない…？」

微かに震える声に、日和を見上げれば
その表情は悲痛に歪んでいた。