Re:sky【遠野日和】 (ページ26)

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Years* ページ26

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＿＿＿＿＿＿side.Hiyori*

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頑なに僕を拒み続けるAを
ほぼ無理やり、引きずってここまで連れてきた。

玄関で立ち尽くして、中に入ろうとはしない。

「………一昨日、霜学来たんだね」

もう、玄関でいい。

場所なんてどこでもいいから、
早く話そう、誤解を解きたいんだよ。

ここまで拒否られるのは初めてで、心が折れそうだ。

「………」

「郁弥に聞いた」

「……」

「見たんでしょ、僕と澤本さん…女の子が話してるの」

無言を貫く、Aの肩が少し跳ねた。

やっぱ、見たんだね、
きっと会話も聞こえたんだろう。

「………郁弥の話だからね、あれ」

「……」

「あの子は郁弥のことが好きで、僕は話聞いてアドバイスしてただけだよ」

触れていいのか分からず、
距離を置いたまま、Aにそう伝える。

ようやく顔を上げてくれた。

その丸く大きな瞳は涙に濡れていて。

「彼女いないって言ってた、好きって…言ったじゃん」

嗚咽混じりにそう言うAに、
愛おしさとか、好きとか…そういう感情に支配される。

可愛い、本当に愛おしい。

「最初は僕の話、彼女のこと本当好きだよねって」

「そう言われたから好きだよって言った。」

「その後に『てか桐嶋くんて彼女いる？』って聞かれて」

「だから彼女はいないよって答えた」

「あの子が頑張ろって意気込んでたから…」

「どうぞご自由にって言った。」

それが全てだし、
それ以上でもそれ以下でもない。

なんなら、僕は関係ないし。

ベソベソと泣いているAの頭をそっと撫でた。