Re:sky【遠野日和】 (ページ21)

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旭に連れられて来た、初の霜学。

ここが日和が通ってる大学、
うちと全然違う。

新鮮だ。

本人にどこ？って聞く勇気もなく
郁弥くんにメッセージを送る。

A郁弥くん、今わたし霜学にいるんだけど日和どこにいるか知ってる?

郁弥あー、最近はB棟の302にいる、けど

『けど』って何だろ、まあいいか。

B棟の302教室ね。
旭を連れて目的地に向かう。

『行かない方がいいかも』なんてメッセージに気付かず。

「でも、遠野と郁弥って一緒に行動してねえんだな」

「！………たしかに、」

「お、ここじゃね？」

目的の教室へ着いてから、
違和感に気付く。

いつも郁弥くんと行動してたよね、？

あれ、さっきメッセージ…って、
なんて来てたっけ。

ドアの隙間から見えるのは、1人の女の子と日和。

ドアの隙間から聞こえるのは楽しそうな話し声。

「〜〜〜！〜〜……〜〜」

「〜〜〜？……好きだよ」

「〜〜！…てか〜〜…彼女いたっけ〜〜」

「〜〜〜！〜〜…いないよ」

「〜〜！……狙っていいかなあ」

「……どうぞご自由に」

部分的にしか聞こえなかったけど、

しっかり全部聞いた訳じゃないけど。

無理だ、って。

ポロポロと零れてくる涙を止める方法なんて知らなくて。

帰り道は旭がずっと手を引いて帰ってくれた、
ずっと慰めてくれた。

私、避けられてたんじゃなくて
知らない内に、日和に振られてたんだ。

みじめな、女じゃんか。