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___side.Kento*
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一目惚れ、
というには淡い想いだった。
時間を共に過ごしていく内に、
彼女の優しさに触れる度に想いは募っていく。
自分では抑えきれない位には大きくなっていた。
五条さんの思惑として、あの神社へ通ったのは
きっと彼女を疑い、何者か調べるため…だろうが。
『七海さんは何て呼ばれてるんですか?』
『みんなナナミンって呼んでるよ!』
『嘘を教えないで頂けますか、五条さん』
『ナナミンかぁ、よろしくね、ナナミン』
『………はい』
『日に日に身体が弱っていってるのを感じるの』
『……体力が、ですか?』
『体力も、かな』
『ナナミン、何でそんなに堅いの?』
『これが私です』
『もっと仲良くいこうよ、ね』
『これが私にできる精一杯です』
『すぐ嘘つくじゃん』
彼女がいない生活など考えられないくらい、
当たり前で、
大切な存在で、
私の人生の一部になっていた。
出逢って長い訳ではない。
でも、
彼女は暖かすぎた。
諦められない、忘れられない程には。
「きっと、彼女の持つ元来の力も強いのでしょう」
「しかし」
「それでも、ずっと帳を降ろすなんて不可能です」
「それこそ彼女の中の呪力が尽きてしまう」
「……もしかしたら、既に尽きているのかもしれません」
日に日に弱っていく身体も、
力の枯渇も、
全ては貴方が受け継いだ
「……大正解だよ、七海」
「伊地知に調べてもらったんだ」
もしも、
貴方を失うことになるのなら
私が祓いますよ。
その血筋も、宿命も。
呪いも。
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HATHUTA(プロフ) - 感動しました…!素敵なお話をありがとうございます (8月18日 0時) (レス) @page30 id: f9b555f004 (このIDを非表示/違反報告)
しゃちほこ(プロフ) - 素敵です…!! (2022年2月6日 20時) (レス) @page30 id: ecbd4790eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:若鷹 | 作成日時:2022年1月12日 22時