Immoral* ページ6
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___side.Satoru
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最初は、単純に疑ってた。
だからこそ色々な理由をつけて、
仲良くなるフリをして、彼女に近付いてた。
でも、その時間が長くなるにつれて
彼女への不信感は拭われていく。
彼女へ募っていくのは好意そのものだった。
『うん、悪いんだけどさ』
『そうそう』
『小鳥遊Aを調べておいてほしいんだよねぇ』
『んー、あと前話した萬ノ宮神社も』
Aが嘘を吐いているようには見えなかったから。
『呪われた一族』ってのも気になるしね、
伊地知に彼女と神社の調査を頼んだ。
神社や寺院の出身者は、元来の力を強く持つ者が多い。
知らずに言い伝えを…彼女の言う『宿命』を伝承していけば
避けられない呪いにさえなり得るんだ。
持論だけどね。
愛ほど歪んだ呪いはないし、
言霊ほど強く呪力を持つものはないと思うんだ。
特に、家族なら…なおさら。
「七海、どう思う?」
僕と伊地知の電話を聞いていたのか、
近くに七海の気配を感じ、話しかける。
「………あくまで可能性の話ですが」
「うん」
「……命のエネルギーを呪力に換えている可能性が」
ハッとして七海の方を向けば、
その眉間にはいつも以上に皺が寄っていた。
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HATHUTA(プロフ) - 感動しました…!素敵なお話をありがとうございます (8月18日 0時) (レス) @page30 id: f9b555f004 (このIDを非表示/違反報告)
しゃちほこ(プロフ) - 素敵です…!! (2022年2月6日 20時) (レス) @page30 id: ecbd4790eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:若鷹 | 作成日時:2022年1月12日 22時