DeaR 【七海健人】 (ページ5)

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お2人と仲良くなるのに時間はかからなかった。

あの日から割と頻繁に来てくれて。

お茶を飲みながら、
他愛のない話や、その日あった出来事を話す。

短い時間ではあるけれど、大切な日常のワンシーンになっていた。

「今更なんだけどさぁ、」

目隠しではなく、プライベートだからか
サングラスの悟さんがチラリとこちらを見ながら呟く。

「ん？」

「Aって何者？」

「何者、とは」

ナナミンも黙って私の返答を待っているようだ。

「僕らも所謂キミと同じ類でね、そういったモノ(・・・・・・・)が視えるんだ」

「キミがずっと降ろしている帳…結界って言った方がいいか」

「それも降ろせる」

きっと、疑われてるんだろうな。

そう悟った、
鎌をかけられてる。

「でもね、A」

「それは僕らも特訓して、学んで尚できる人は限られてくる」

「……キミは何者？」

何者かなんて私にもわからないよ。

「私は、何者でもないよ」

「ただ悪いもの達からここを護ることを命じられた、
…呪われた一族」

おばあちゃんからお母さんへ、
お母さんから私へ受け継がれた

避けられない宿命。

『ここを呪い(それ)から護るの』

『例え、命を削ろうとも』

代々伝えられるその言葉は
『約束』から『呪い』へと変わったんだ。

産まれた時に母にかけられた呪い。

愛はやがて姿を変えた。