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後ろを振り返れば、悟くんはニタニタと笑っていた。
ああ、この人に揶揄われた。
そう気付いた時には、時既に遅し。
静かに怒るからなぁ、七海。
「七海、どこ行くの」
「私の家です」
それが七海の家に着くまでに交わした唯一の会話だった。
家に着けば、
後ろから強く抱き締められた。
矢継ぎに飛んでくる質問や苦情。
「……何で口説かれてたんですか」
「顔を赤らめてたことにも納得いかない」
「確かに、私の片想いかもしれませんが」
「あ"ー、」
「無理に付き合わせてしまってますか」
「あの人の方が良ければ…」
「でも、貴方を手放してはやれない」
初めて見る七海の余裕のない姿。
嬉しいって言ったら、
七海に失礼だけど…本当に嬉しい。
だってヤキモチでしょ、これって。
「七海」
「………」
「ヤキモチ?」
「…………黙って下さい」
「嬉しいな、七海が妬いてくれるの」
「は、……っ」
直接愛の詞はまだ言ってあげないけどね。
でも、伝わるように行動はしていこうと思う。
遠回しに言葉でもね。
「……もっと聞かせてよ、七海の汚い感情」
欲張りな私に、もっと、貴方の愛を捧げて。
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HATHUTA(プロフ) - 感動しました…!素敵なお話をありがとうございます (8月18日 0時) (レス) @page30 id: f9b555f004 (このIDを非表示/違反報告)
しゃちほこ(プロフ) - 素敵です…!! (2022年2月6日 20時) (レス) @page30 id: ecbd4790eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:若鷹 | 作成日時:2022年1月12日 22時