DeaR 【七海健人】 (ページ20)

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５* ページ20

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いつだって、キミは側にいてくれるね。

人前じゃ泣かないと決めていたのに、
七海の言葉に、抱き締めてくれる優しい手に

涙が止まらない。

「…………強がるな」

「それ以上無理して笑うな」

「苦しいなら助けを求めてください」

赤ん坊をあやす様に、
優しく頭を、背中を撫でられる。

ああ、今まで耐えてきたのに。

「……今までよく1人で耐えてきましたね」

「もう、頑張らなくていい」

「……泣いていいんですよ、貴方は」

「1人じゃないんですから」

今まで溜めてきた悲しみが、苦しみが
弾けたように、涙になってポロポロと溢れてくる。

子供のように泣いた。

そんな私を、七海はずっと抱き締めていてくれた。

「………ごめん、ありがと、七海」

「……いいえ、お気になさらず」

ねえ、七海。

私も七海が好きだよ。

叶うなら、ずっと貴方といたい。
ずっと、その腕で抱き締めていてほしい。

「………七海、あたし…死にたくない」

老衰したいんだ。

それまでは貴方と一緒にいたいのに。

「………なんてね」

「もう嘘は吐かなくていい」

「、……うん」

険しい顔をした七海と目が合う。

「………もし貴方が本当に私を嫌いで、」

「異性として見て頂けないのなら」

「……潔く身を引きます」

嫌いなわけないじゃん。

大好きだよ。

「でも、少しでも可能性があるのなら」

「私とお付き合いして頂けませんか」

「寿命は変えられませんが、幸せにします…必ず」

『好き』

『大好き』

『愛してる』。

でも、それは言っちゃいけない。

言ったら、ずっと貴方を縛るから。

だからね、七海。

それは最期に告うよ。

「………よろしく、お願いします」

「！……ええ、必ず」

愛してるよ、七海。