DeaR 【七海健人】 (ページ11)

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２* ページ11

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＿＿＿side.Kento*

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発端の五条さんがいずとも、
彼女と2人で会うことが増えた。

というか、最近はほとんど2人だ。

「悟さんは元気？」

「ええ、相変わらず忙しそうですけどね」

「ナナミンも忙しそうじゃん、全然来てくれないし」

拗ねたフリをする彼女もまた愛おしい。

もしも、今ここで彼女に『好きだ』と伝えたら
一体どうなるのだろうか。

驚きますか。

困ってしまいますか。

それとも喜んでくれますか？

手を伸ばせば触れられる距離に貴方はいるのに。

「ねえ、七海」

「？…はい」

「私の理想聞いてくれる？」

「ええ、どうぞ」

Aさんは私の方を一瞬だけ見て、
空を仰いでいた。

その横顔はあまりにも寂しそうで。

「まず、結婚したいよねぇ。
それで老後でもいいから海の近くに住みたいなぁ。
歩いてお散歩行けるくらい近くがいい。」

何を考えているのだろうか。

何を思って、誰を想っているのだろうか。

「波音を聴きながら、本も読みたいな」

「素敵だと思わない？七海」

彼女の横顔を見つめていたら、
空を仰いでいた彼女が急に振り返るものだから
急いで、顔を逸らす。

「とても…素敵だと思いますよ」

とても、理想的な生活だと思います。

その理想の未来で、
貴方の隣にいるのが私であってほしい。

「ご結婚の予定があるのですか？」

「わたし？」

「ええ」

「あっは…！全くないんだよねぇ、生涯独身かも」

どこか寂しそうに笑う貴方を、
今、ここで抱き締めたら

貴方の思い描く未来で、貴方の隣にいられるのでしょうか。