Wherenever*【遠野日和】

放課後 ページ18

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＿＿＿＿side.Hiyori





放課後、


今日は、部活も掃除もない日。






席を立ち、帰ろうとする彼女に声をかける。








「、A…っ」

「と、日和くん…？」








丸く大きな目を、更に大きく開くA。








「今日、部活ない…から、一緒に帰んない？」

「っ、うん！」








少し頰を赤らめる姿は愛らしい。



誰にもやんないよ、

誰かに譲ってやるものか。









「文化祭、楽しみ？」

「え、うん…日和くんは？」

「僕も、多少は」








帰路、

無難な質問をぶつけると、
返ってくるのは、無難な答え。


でも、僕は『でも』と続ける。









「でも、一緒のシフトが良かったな、」

「え？」

「A達と。」

「えっ、そ…っか」









もっと勘違いして、

もっと自惚れて、



僕しか見えないようになればいい。









吏音(アイツ)なんか見なくていいから。








「僕だけを、……なんてね」









その囁きは、Aの耳に届くことなく

風に舞った。

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