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波動 ページ43

真っ暗な部屋に・・・
暖炉の火だけが紅く燃えていた・・・

「Aさん・・・」

私の左手首に唇を寄せたまま
トモくんは私を正面から見つめた・・・


「ご褒美貯金・・・結構たまったかな・・・」
子どもみたいな事を言うトモくん・・・

トモくんの唇が動くたびに
手首に当たってくすぐったい

手首の擦り傷からジンジンと広がった熱はいつしか私の体の中にも入り込み
からだの中心にむかって波動のように広がっていった・・


「んふふ・・そう・・かも・・・」
声が震えそうだった・・・


「じゃあ・・・その貯金・・・おろしていいかな・・・」

暖炉の火がゆらゆらと揺れて
彼の顔を照らしていた・・・・



「俺に・・ご褒美を・・・ちょうだい・・」

さっき子どもみたいな事を言っていた彼の顔が
今は妖艶な男の顔になっていた。


トモくんは手首から唇を離すと
私の手首を掴んでいた右手の掌で私の左手の掌を包み込み・・・そのまま指を絡めてきた

「ねぇ・・いいでしょ・・Aさん・・・」
かすれたように甘い声で囁かれた



そして
いつものように
私の返事を聞かず・・・



そっと唇に口づけた



軽く一回・・
優しくついばむように・・・


私は・・目を閉じる暇もなかった・・・・




「俺・・・・」



鼻と鼻が擦れるほどの距離で彼は言った



「Aさんのことが・・・」



うつむこうとする私の頬をトモくんが左手で上向きにした


「好きなんだ・・・・」


思いがけないその言葉が私の胸を甘く貫いた・・・


そして再び彼の唇が私の唇に重なった・・


さっきよりも深く
私の唇を塞いだ・・・



「待って・・・」
もう待てないってわかっているのに
心の中で・・・ちょっとだけ抵抗した。


彼の唇はしっとりと柔らかく
あつく熱を帯びていた・・・


「好きだよ・・・・Aさん・・・」

息継ぎをするように唇を離した瞬間に
彼の甘い声は艶をまして
私の耳に届けられた


そしてみたび重ねられた唇から
そっと差し出された彼の舌はまるで極上のフルーツのように甘く・・・

私を夢中にさせた・・・

体の中心に向かって広がった波動は
私の頭の中を真っ白に塗り上げた・・・

ジンジン痺れていた手首の感覚が
頭の中まで侵入した

キスだけでどうにかなってしまいそうな私は・・・
絡めた指に力を込めることでかろうじて意識を保っていた・・

がむしゃら・・・→←擦り傷



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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時

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