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大人をからかうのはやめて ページ27

「はい。これ」
トモくんは私に薬を手渡しながら上半身を私の方へ寄せた。
目の前に彼の顔が迫ってきた。

「どう・・したの?」

トモくんはただじっと私の目を見つめた。

5秒位の沈黙のあと



「Aさん。もう一回キスしよう」
と言った。

突然の言葉に私は身動きができずに固まってしまった。



「な〜んてね。」

トモくんは私に渡そうとした薬の封を切り中からカプセルを取り出してくれた。

「今度CMで女優さんとこの位の距離で撮影しなくちゃならなくてさ」

私は手渡されたカプセルを口に入れた。

トモくんは水の入ったコップを私に渡しながら
「口移しで飲む?」
と、もう一度顔を寄せて言った。

私は無言のままコップを受け取り口に水を含んだ

トモくんはいたずらっ子みたいな顔で私の反応を楽しんでいる


「Aさん。耳まで真っ赤だよ」


「トモくん・・・大人をからかうのはやめて」

「Aさんさぁ。最高」

何が最高なのかわかんない
「俺そろそろ行くね」

トモくんを見送ろうとして立ち上がろうとする私に
「Aさん・・・ここで大丈夫。じゃあ・・・」
左手を小さく振って彼は部屋を出て行った。


「トモくん待って・・」

やっぱり見送りに出ようと思って走って玄関へ向かった.

「Aさん無理しないで」
靴を履きながらトモくんが振り向いた。

「あっ!!」
足元がもつれて・・・こけた・・

「Aさん!」

トモくんは履きかけた靴を放り出して私のところへ来てくれた。

「Aさん。無理しないでって言ったのに」

そう言うとスっと私を抱き上げた。

「ちょ、ちょっとトモくん」

「暴れると運びにくいよ」

「ごめんなさい。でも大丈夫だからここで降ろして」

「Aさんったら照れてるんですか?」
今日はなんだかトモくんのペースに巻き込まれてる・・・

和室に入ったところで言った
「もうここで・・・おろして」

「このままAさんを布団に寝かせるまでが俺の役割だよ。ばあちゃんがいない間Aさんのことよろしくって頼まれてるんだ」
納得できるようなできないような理由だった。


ようやく布団に私をおろした彼は
横たわる私を上から見下ろすように布団に両手を着いてさっきと同じセリフを言った。

「Aさん・・・もう一回キスしよう・・ここまで運んできたご褒美・・欲しいよ」

甘えるような
訴えるような
彼の目に・・吸い込まれそうになった・・・。

お子ちゃまなの?→←フレンチトースト



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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時

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