【P】苦笑い ページ22
家に向かうタクシーの中で
俺はさっきの会話を思い出していた。
仕事のあとちょっとだけ奏の店に寄ったんだ。
そしてたらリリーさんとルリ子さんがいた。
「Aがいろいろお世話になっちゃって・・・ごめんね・・・ありがとう。Aの相方としてお礼を言うわ」
ルリ子さんが深々と頭を下げた。
そんなルリ子さんの言葉に俺は恐縮して苦笑いをした。
「Aちゃん知恵熱出したって?」
と、リリーさん
「知恵熱・・?ですか?」
「知恵熱出るほど・・・何か嫌なことがあったのかも・・」
ルリ子さんが少し悲しげな顔をして言った。
え〜!?
それってもしかして
俺とキスしたこと・・・?
もちろん知恵熱が出たなんてルリ子さん流のAさんへの愛情表現だってわかってたけど・・・
もしかしてホントはそんなに嫌だったのか・・?
いやぁ・・・でも・・・少なくともあの時・・
Aさんだって・・・結構・・・いい感じだったんだけど・・・
そんな事考えてて
ふと窓の外を見たら
ちょうどAさんが雪だるまに話しかけた場所を通り過ぎるところだった。
Aさんが話しかけていた雪だるまが
溶けずに・・まだそこにいた。
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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時