検索窓
今日:25 hit、昨日:8 hit、合計:33,303 hit

40両目 ページ43

なんと、男性二人が入り口に背を向ける形で湯船に浸かっていたのだ。Aは驚きを通り越して、やけに冷静になる。よく見るとその男性二人は賑やかしサブウェイ兄弟だった。二人はAの叫び声がした後に振り向き、彼女と目が合う。


「え!?どういう状況でございますか!?」

「もしかしてここに忘れ物しちゃった?」


どうやら上司たちは、Aは入浴を済ませて、忘れ物を取りに来たのだと勘違いしている模様。どこでこの勘違いが生まれてしまったのやら。Aにとっては大困りである。


「クラウドに入ってきていいよって言われて、中浴場の中確認しても電気付いてなくて、」

「ですので、てっきりAさまは入浴を済ませているものかと思いまして…。」

「だからカズマサとクラウドのせいだね!」


疲れ切っているAはそれに納得するほか無く、「そういうことだったんですね」と返しておいた。

ところでいつも通り上司と会話をしているのだが、今上司二人は全裸で入浴中である。疲れすぎてそんなことも気にしていなかったなんて。
謝って退散しようとした瞬間、急に上司たちが騒ぎ始めたのだ。


「なんということでしょう!Aさまに入浴している姿を見られてしまいました!」

「僕たちお嫁に行けなくなっちゃう!?どうしようノボリ!」


Aは思った。この人たち、深夜テンションすぎんか。
騒ぎ立てる上司を見て、また冷静さを取り戻す。


「ノボリさんクダリさん、事故とはいえ大変失礼しました。それではごゆっくりどうぞ。」


そう言ってまだ騒いでいる上司たちを放ったらかしにし、静かに中浴場の入り口の扉を閉める。

見えていなかったとはいえ、あの二人は全裸だったのだ。以前お風呂上がりのノボリの上裸姿を見たことはあったが、話が違う。Aにとってはかなり刺激が強すぎたのだ。シャツやスラックスの上からでは分かりにくかったのだが、それなりに整った体をしていて___

シャワー室への移動中、顔に熱を帯びていることに気づく。それを肯定したくなかったため、少し俯いて下唇を噛みながら歩いた。


「寝る前に興奮するものを目に入れてしまったから、今夜はなかなか眠れそうにないなあ。」


小さくため息をつき、スラックスのベルトを外した。

41両目→←39両目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黄々(プロフ) - 黒曜楼乱さん» コメントありがとうございます。迷いに迷いましたっ…!これからも応援よろしくお願いします! (2022年3月26日 20時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
黒曜楼乱(プロフ) - ノボリオチ…だと!?!?最高ですありがとうございます!!応援してます!! (2022年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 7e59e19b9f (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - 眠い羊ちゃんさん» コメントありがとうございます。恐縮です。好きになってくださってありがとうございます! (2022年3月12日 16時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
眠い羊ちゃん(プロフ) - この作品大好きです!更新楽しみにしています! (2022年3月12日 0時) (レス) @page26 id: 0bb018741b (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - カミツレ味噌五郎さん» コメントありがとうございます。大変嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2022年3月11日 22時) (レス) @page24 id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黄々 | 作成日時:2022年2月25日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。