31両目 ページ33
約束の18時になり、ライモン東駅にて落ち合ったAとクダリ。白ボスは昼ごろの服装とは違って、白いTシャツに黒いスキニーパンツというラフな格好をしていた。テーラードジャケットを羽織ってきたのは間違いだったかもしれないと、Aは肩を落とす。
ライモン東駅を出て5分ほど経過しただろうか。やがて二人の住むマンションにたどり着いた。そのマンションはライモンで一番家賃が高いと言われているマンションだ。初めてタワーマンションの内装を見たAは、変に冷静である。ここまで来ると緊張なんて吹き飛んでしまったようだ。そのままクダリに付いてエレベーターへと乗り込んだが、彼がボタンを押したのは3階だった。
「階が上がるにつれて部屋も広くなるけど、広過ぎるのも落ち着かない。それに3階の家賃でこのマンションのサービスを使えるのはとてもお得だし。だから3階。」
Aが理由を訪ねる前に答えられてしまった。
なるほど。確かに広い部屋に住みたいわけではないのならば、タワーマンションの下階に住むのは悪くない。いやいや、私が住む世界とスケールが違う!
そんなことを考えていたらいつの間にかエレベーターは3階に到着し、上司たちの住む部屋の前までたどり着いていた。クダリが「ただいまー」と言いながら中へと入っていく。Aもクダリに続いて、「おじゃまします」と言いながら扉と鍵を閉めた。
さっそくダイニングへと通され、テーブルに着くよう言われる。クダリの案内の通り、Aはダイニングテーブルの椅子に腰掛けた。
「Aさん、ワイン飲む人?あ、でも大の男しかいないからお酒飲みたくない?」
「いえ、せっかくですのでいただきます。お二人は素敵な方々です。信頼しているので大丈夫ですよ。」
ノボリとクダリは本能のままに生きている人ではないはずだ。しっかりとした判断ができる大人に違いない。
最近になってそのような思いが強くなりつつあるAは、上司たちは簡単に手を出すような人ではないだろうとかなり信頼しているのだ。
キッチンでシチューを温めているクダリとたわいもない話をしていると、この部屋のもう一人の住人ノボリが登場した。
下はクダリと同じ黒いスキニーパンツ、手にはTシャツらしき白い布、そして上には何も着用していない姿で___
「え、えーと…。」
「ノボリ兄さんのハレンチ!Aさん部屋に呼ぶって伝えてたよね!?」
「え…、申し訳ございませんAさま!!」
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黄々(プロフ) - 黒曜楼乱さん» コメントありがとうございます。迷いに迷いましたっ…!これからも応援よろしくお願いします! (2022年3月26日 20時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
黒曜楼乱(プロフ) - ノボリオチ…だと!?!?最高ですありがとうございます!!応援してます!! (2022年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 7e59e19b9f (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - 眠い羊ちゃんさん» コメントありがとうございます。恐縮です。好きになってくださってありがとうございます! (2022年3月12日 16時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
眠い羊ちゃん(プロフ) - この作品大好きです!更新楽しみにしています! (2022年3月12日 0時) (レス) @page26 id: 0bb018741b (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - カミツレ味噌五郎さん» コメントありがとうございます。大変嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2022年3月11日 22時) (レス) @page24 id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黄々 | 作成日時:2022年2月25日 11時