表情の違い【ノボリ】

23両目 ページ25

コーヒーを飲んでいた途中のノボリはむせ、クダリは咳払いをした。
反応が期待通りで嬉しくなるA。

それでも真顔を保っていると、クダリが口を開いた。




「AさんってSなの！？僕たちって今Aさんの掌で弄ばれてるよね！？」


「自分では分かりかねますね。二人とも可愛らしくて何だか弄りたい衝動に駆られるんですよね。」


「鬼畜でございます…。」




で、結婚したいのでしょうか、と話を戻そうとするA。彼女は二人からの返事に興味深々である。
思っていたように、二人はすんなりと答えてくれた。




「もちろん結婚願望はあるのでございますよ。」


「僕も！とっても結婚したい！」


「なるほど。ちなみに今までお付き合いの経験は？」


「わたくしもクダリも、学生時代に少々…程度でございます。」


「答えてくださったので私も言っておきますね。
結婚願望はあるし、大学時代にお付き合いしていた人がいました。」


「「いました！？」」




お付き合いしていた人が“いました”というところに注目する双子。

大変興味深そうにしていたため、
大学入学した年の夏休みから卒業するまでの間、お付き合いしていたんですよと説明した。




「じゃあ割と最近別れちゃったんだ？」


「そうなんですよ。
自分から話広げておいてではありますが、
恋愛話はそろそろお開きにしませんか？また今度、別れた理由についてはお話ししますよ。」


「そうでございますね。わたくしは夜勤ですが、クダリとAさまはもう帰る時間でございますし。」




じゃあ今日は僕がAさん送ってくよーとクダリが言ってくれたため、二人で帰る準備をし、
ノボリに別れを告げてからギアステーションを後にする。

さて、今日はクダリと二人きりだ。

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