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15両目 ページ16

そこまで私のことを見てくれていて、そこまで私のことを考えてくれていたんだ。




久しぶりだ。誰かにここまで見てもらえることは。


この人、すごく周りのこと見れるんだ。


誰よりも多忙にしていたのに、こんなにも人を思うことができる人なんだ。




人として、上司として、とても素晴らしい人だということを改めて感じた。


この人、魅力で溢れているな____





ライモン中央駅で車両が停まる。


いつもは定時で上がっているから、こんなにガラガラの状態の車内で帰宅することは初めてだ。








「わー、貸し切りみたいですね。」




「この時間に乗るのは初めてなのですね。」








他の乗客は4人ほど。


Aとノボリは隅の方へ腰掛けた。




いつもは座れないし、静かではない車内。


に対し、座れているし、大変静かな車内。


そして隣には上司。



いつもとは違う環境に、なんだか少しそわそわした。




そんな感情を紛らわそうと、Aはノボリに話しかける。








「どうでもいいことなんですけど、

ノボリさんの帽子の下が少し気になってたんですよね。

思ったよりも短髪で、さっきちょっとびっくりしました。」




「常に帽子は被っていますからね。

見えない部分が気になることは、人間誰しも同じでございます。」








仕事の疲れで頭のネジが一本落っこちたのか、上司をからかってみるかという試みでAはノボリの頭へ手を伸ばす。



そして少し気になっていた帽子の中身、上司の短髪を軽く撫でてみた。








「なっ、なんでございますか!?

お戯れはおやめくださいまし!」








明らかに動揺している。



どうやらこの人は堅物なだけではないらしい。


Aはそれがおかしくて、ケラケラと笑った。








「すみません、ちょっとからかいたくなってしまいまして…ンフッ。」




「笑いを堪えられていませんよ。

…全く。恥ずかしいですので、お戯れも大概になさってくださいまし…。」








黒ボスの新たな一面、どころか三面くらい見ることができたこの日は、大満足で眠りについたAであった。

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黄々(プロフ) - 黒曜楼乱さん» コメントありがとうございます。迷いに迷いましたっ…!これからも応援よろしくお願いします! (2022年3月26日 20時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
黒曜楼乱(プロフ) - ノボリオチ…だと!?!?最高ですありがとうございます!!応援してます!! (2022年3月26日 15時) (レス) @page39 id: 7e59e19b9f (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - 眠い羊ちゃんさん» コメントありがとうございます。恐縮です。好きになってくださってありがとうございます! (2022年3月12日 16時) (レス) id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)
眠い羊ちゃん(プロフ) - この作品大好きです!更新楽しみにしています! (2022年3月12日 0時) (レス) @page26 id: 0bb018741b (このIDを非表示/違反報告)
黄々(プロフ) - カミツレ味噌五郎さん» コメントありがとうございます。大変嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2022年3月11日 22時) (レス) @page24 id: 508fa87563 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黄々 | 作成日時:2022年2月25日 11時

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