強制終了 #3 @req ページ7
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よく走るなぁ、なんて思って見ていた。
男性スタッフに負けず劣らず、力仕事でも率先してやる彼女は、その仕事ぶりで皆から好かれていると言っても過言ではないのだろう。
「A。」
『！はい、あだちさん！なにかご用ですか？』
自分が呼ぶと喜んで走ってくる彼女は、まるで犬みたいだ。耳としっぽが見える気がする。
「あんま無理すんなよー。」
『えへ、だいじょぶですよ、仕事なので。』
へらっと笑う彼女は、走ってきたからか、息が上がっているように見えた。
シートノックが終わって、次は打撃練習だ。道具の入れ替えをするためにダグアウトに入って、一旦ロッカーで着替えてこようかな、なんて考えてきた時だった。
「Aちゃん、休憩行ってきなって。」
『なんで、ですか…っ、わたし、だいじょうぶです…！』
「いやずっと息上がってるし、しんどそうだよ？」
『そんな、こと…っ、』
ダグアウト付近で押し問答するスタッフふたり。その内のひとりはさっきまでグラウンドを駆け回っていたAで、何事かと思って近付いた。
「どしたの？」
「あ、安達さん！この子さっきからしんどそうにしてるのに休めって言っても聞かなくて。」
「…A、体調悪いの？」
心配そうなスタッフに言われて彼女を見つめる。そこまで顔色が悪いようには見えないが、確かに何か様子はおかしいと思った。
『ん、っ、しんどく、ないです、』
はぁはぁと荒い呼吸。少しだけふらついている足元。
走ったから息が上がっているのかと思っていたが、少なくともAはここでずっと立ち止まって話していた。
「あー…、A、ちょっと裏行こ。」
『なんっ、で、わたし、』
話すのもやっとなくらい、大げさに肩を上下させながら呼吸を繰り返す彼女。
A預かるわ、ともうひとりのスタッフに言うと、その人はよろしくお願いしますと言って仕事に戻って行った。
「…歩ける？」
『んっ、はぁ、はぁっ…、だいじょうぶ、ですっ…、』
まさか、本当に気付いていないのか？
強がっているのか本当に苦しくないのかが分からない。
でも歩こうとするとよろよろと覚束ない足取りになってしまうところを見ると、体は悲鳴を上げているのだろう。
「俺優しいから抱っこしてあげるわ。感謝して。」
『…えっ、』
有無を言わさず抱き上げてダグアウトを出る。
Aなら良いかと思いながら、ロッカールームに向かった。
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます！更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (
レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました！癒されました！また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがみみお | 作成日時：2023年12月12日 11時
