マーキング #0 @req ページ5
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数人で集まってのダッシュ練習。
ほぼ休憩時間のようなゆるい雰囲気でたまに開催されるそれは、走力に自身がある自分にとっては実力を見せる良い機会である。
ストップウォッチは？と誰かが声を上げた。
コーチがポケットを探しているが、どうやらどこかに忘れてきたらしい。
そこに運良く彼女が現れた。
『またやってるの、』
「あ、Aさん。」
他にも人がいるのに、真っ先に自分の背中に抱きついてくれることに優越感を覚えながら振り返ってぽんぽんと頭を撫でた。
『毎日がんばるねぇ、』
「ほぼ遊びみたいなもんですけどね。…そういえばAさん、ストップウォッチ持ってません？」
ストップウォッチ？と首を傾げて、彼女は球団支給の上着のポケットを探る。ガチャガチャと音がして、その中にはいろんな道具が入っているのだと窺えた。
『持ってると思うんだけど、…ちょっとこれ持ってて、』
「はい、……なんでハサミ？」
『持ってるといろいろと便利だからね、……お、あったあった。』
彼女は小さめのストップウォッチを持って、カチカチと動作を確認する。
『はい、どうぞ。』
「ありがとうございます。助かりました。」
ハサミを返して、代わりにストップウォッチを受け取った。コーチに渡してスタートラインに立つと、彼女はコーチの横ちょこんと座った。
24「Aさんも見るんですか？」
『うん、ストップウォッチを生贄に捧げてるからね。』
24「……？」
9「じゃあ勝ったらAさんからご褒美もらえることにしよ！」
「なにご褒美って。」
9「それはAさんに任せようや。」
『ふふっ、いいよ。頑張ってね。』
ニコニコと彼女は全員に手を振る。何本か走って、最後の1本でご褒美とやらを賭けて走ることになった。
9「ちなみにAさんは誰が勝つと思います？」
少しうとうとしていたのか、彼女は驚いたように顔を上げた。
『んー…、はるとくん、かな？』
「っしゃ。」
視線が合って、覇気のない緩い笑みがこちらに向けられた。
すべての力が抜けていきそうな笑顔なのに、彼女に期待されていると思うと俄然やる気が出るのだから、不思議なものだ。
コーチの手が上がる。スタートの合図を待つ。
ご褒美が何なのか全く分からないが、勝つしかない。
スタートの合図が出た瞬間、俺はトップスピードで走り出した。
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます！更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (
レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました！癒されました！また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがみみお | 作成日時：2023年12月12日 11時
