続 ページ4
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『…あれ、トモ。どしたの？』
「どしたのちゃうわアホ。こっちのセリフや。」
『えへ、ごめんね？』
「…ええけど。立てる？」
『……むり、だったりするかも。』
やっぱりというか信じられないというか、ようやく見つけた時彼女は眠っていた。
⸺そう、ここ、物品倉庫で。
「寒かったやろ、…貸す上着もないけど。」
『だいじょぶ、くっついてたらあったかい。』
彼女を背負って倉庫を出る。
ひんやりとした倉庫を一歩出ると、生ぬるい空気が全身を包み込んだ。
『…なんで探しに来てくれたの？』
「練習始まるのにおらんかったから。休みとか言うてなかったし、何かあったんやろなって。」
『…わたし今までトモに休みとか報告してたっけ？』
「してないけど、なんとなくやん。」
『…なるほど？』
彼女は少し身を震わせて、ぎゅっとしがみついてきた。かなり長い時間閉じ込められていたのだろう。
「で、なんであんなとこで寝てたん。」
『…道具取って来てって言われて、取りに行って、そこまではよかったんだけどね、』
「おん。」
『…ちょっと体調悪くなって、横になってたら寝ちゃった。』
そこまで言うと、彼女は少し咳払いした。風邪とも違う特徴的な咳払い。
一度咳が出ると止まらなくなったのか、背中の上で苦しそうに咳き込んでいる。
「…ロッカー寄るわ。」
『…っ、ん、ごめん、』
まださっきまで人がいたはずの、快適な室温のロッカールーム。
幸いなことに中には誰もおらず、とりあえず安心して自分のロッカーの近くに座らせた。
着てきた上着を羽織らせてやって、小銭入れをポケットに突っ込む。
「飲み物買ってくるわ、水でいい？」
彼女が頷いたのを確認して、自動販売機で水を買った。時間はもう15分を過ぎているが、仕方がないだろう。
「ん、飲めるか？」
『…ありがと、』
ごくん、と彼女の喉が動いたのを確認して話しかける。
「……喘息？」
『…子どもの頃ね。最近は全然大丈夫だったんだけど。』
また苦しそうに咳き込んだ彼女の背をさする。
『……トモ、力強くて気持ちいい、』
「そりゃ良かった。…さすがに今日はもう帰りや。」
『……や、仕事、』
「言うと思った。…しんどくなったらちゃんと休むって約束できるか？」
『できる、』
「はぁ…。そしたら試合終わったら待っといて、送るし。」
『ん、トモ、やっぱりやさしいね、』
お前にだけやで、と言いかけた言葉を飲み込むと、彼女は全てを見透かすように薄く笑った。
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます！更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (
レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました！癒されました！また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがみみお | 作成日時：2023年12月12日 11時
