続 ページ28
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これは自分のエゴだ。
心配だとかそういう感情よりも、どういう人なのか気になる、みたいな好奇心が大きい。
スタッフとの信頼関係も強いのは見て取れる。ただその中でも、彼女は別格に思えてならない。
『…え、りょーまさん？』
「お疲れ。送る。」
『待ってて下さったんですか？』
「まぁな。」
宣言通り30分で仕事を終わらせた彼女を車に乗せて、彼女の家まで向かう。
『いらないです』なんて突っぱねてきそうだったのに案外素直だったことに少し驚いた。
『すいません、選手さんにこんなお気遣いして頂いて。』
「へぇ、そういう感じなんや。」
『…何がですか、』
「いや？赤ちゃんやのに意外と礼儀正しいんやなーと思って。」
"赤ちゃん"というワードに反応した彼女は、わざとらしく視線を外して無視した。やっぱり赤ちゃんやん、と笑ってやろうとしたところで彼女が口を開く。
『選手の皆さんのサポートをするのが仕事なので、いつもはお断りしてるんです。』
「…なるほど？」
皆が口々に言う、「Aは頑張り屋さん」の片鱗が少しだけ見えた気がする。
『いろいろと良くないこと、分かってるつもりです。でも皆さんが受け入れて下さるからそれに甘えている現状で、だからこそ少しでも恩返しできたらな、と思っています。』
「それでこんな遅くまで仕事してんの？」
『…まぁ、そういうことですかね。』
ふぁ、と彼女はひとつあくびを漏らした。遅くまで残っていただけに、さすがに眠気もあるのだろう。
「ええよ寝ても。着いたら起こすし。」
『…や、さすがにそれは……。』
また口応えしようとした彼女をぽんと撫でた。ふわりと香るウッド系の香りは、車の芳香剤とよく調和している。
この香りは、好きだ。
チラッと横目で彼女を見ると、今にも眠りそうに船を漕いでいた。
『りょーまさん、』
「んー？」
伸ばしていた左手が徐に握られた。高すぎるくらいの体温は、本当に赤ちゃんのようだ。
『…すいません、いろいろと、』
「いろいろ？まぁええけど。」
ぎゅ、ぎゅ、と手の形を確かめるように握られる。何かを見定めるような、そんな手つきだ。
「なに？」
『…ねむい、』
「ん、おやすみ。」
『ぎゅってして…、』
「手？」
頷いたのか項垂れたのか、彼女はこくんと頭を下げた。
お望みどおり握り返してやると、すぐに規則的な寝息が聞こえてくる。
「皆にこんなことしたらアカンよ？」
皆が彼女に向ける感情を、理解してしまった気がした。
刷り込みポニーテール #29 @req→←変容の先で混ざり合え #7
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます！更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (
レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました！癒されました！また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがみみお | 作成日時：2023年12月12日 11時
