続 ページ22
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『こわい、やだ、…っ!』
抱き寄せて、大丈夫やで、と呟く。
『暗いの、無理で、……っ、はぁっ、はぁっ…!』
「一旦座ろか。大丈夫やから。こういうとこやし非常電源とかあるやろ。すぐ明るなるよ。」
『はぁっはぁっ…!こわい、どうしよっ、トモ…っ!』
完全に動転している彼女を力強く抱き締めた。
「A?聞こえる?大丈夫やから、ゆっくり息吐いて。」
こわい、と言いながら彼女はがくがくと震えている。
上擦った呼吸をなだめるように背中をさすっていると、思いの外早く電気が点いた。
『…ふっ、う、』
「ほら、もう点いたで。…泣きすぎやろ。」
『泣いて、ない、』
「説得力なさすぎ。」
明るくなって見えた彼女の頬は濡れていて、なんなら目に涙も浮かんでいた。
「大丈夫か?裏行くか?」
『…行く、』
「うぉぉい…、抱っこかい…。」
ぴょん、と飛び乗ってきた彼女を抱っこしたまま立ちがあって歩き出す。
相当怖かったのだろうなと思ってぽんぽんと撫でてやっていると、いつの間にか寝息が聞こえてきた。
「…絶対もう大丈夫やん。」
そんな自分の呟きも聞こえないくらい寝入っているのであろう彼女を、少しだけ強めに抱き締めた。
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます!更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました!癒されました!また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かがみみお | 作成日時:2023年12月12日 11時