イヌ科のなにか #39 @req ページ20
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むぎゅう。
『…ぅ……、』
苦しい、圧迫感が、すごい。
『りょ、ま、くん、』
ぎゅうううっ。
『…し、ぬ、』
「わぁっ！すいません！ほんまに！！ほんまにすいません！死なんとってください！」
慌てて離れてくれた彼に今度はがくがくと揺さぶられて、息を吹き返しかけた私はまた瀕死の状態になった。
『と、とまって、りょまくん、』
「あぁっ!?なんでそんな死にかけなんですか!?大丈夫ですか!?」
あなたがその手を止めてくれたら良いんだよ。
そう言いたいけれどこの大型犬はなかなか言うことが聞けないようだ。
満足いくまで私を振り回した彼は、ようやくしゅんとした表情で手を離してくれた。
「久しぶりにAさんに会えたから嬉しかったのに…。Aさんは俺に会いたくなかったですか…？」
『なんでそうなるの…？…私も会いたかったよ。1軍昇格おめでとう。』
よしよしと背伸びして頭を撫でると、彼はまたぱぁっと顔を明るくして笑った。
『っ、まって！まって！ぎゅーするのちょっと、りょまくん強い！』
「Aさーん！おれ、Aさんのこと大好きです！」
『ぐっ…、……ん？』
身構えた割に、今度はふわっと抱き締めてくれた彼。
さすがに学習してくれたかなと思って、その胸に身を委ねる。
「…あかん、ほんまにかわいい……。」
ぼそっと呟いて一旦体を離すと、彼は私の頭の先から爪先までをじっくりと見つめる。まるで、獲物を狙う時のように。
大型犬わんこみたいな彼のうるうるした大きな瞳が、一瞬狼のように鋭く細められた。
『りょまくん…？』
「わ、なんでもないですよ、すいません。」
でもそれも本当に一瞬で、またすぐにぱぁっと表情を明るくした彼は、頭を撫でてみたり、頬を引っ張ってみたりとまるでおもちゃのように私を弄んでくる。
「ねーAさん、」
『ん、なぁに？』
「死なんとってくださいね？」
『それってどういう…、っ!?』
がぶり。
大きく口を開けて首筋に歯を立ててきた彼は、しばらくそのままかぷかぷと甘噛みを続けた。
その次は耳に行って、また首筋を通って、腕にかぶりつき、指の形を確かめるように食んでいく。
『…っ、りょまくん、くすぐったい、』
擽ったくて変な感じがする。
腰が砕けそうになったところを苦しいくらいに抱きすくめられて支えられた。
「ん、ごちそうさまでした。…生きてます？」
死にかけです。
息も絶え絶えに言うと、また焦った表情の彼に圧迫感たっぷりのハグをされた。
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かがみみお(プロフ) - うみさん» こちらこそ素敵なリクエストとご感想ありがとうございます！更新がんばります🤗 (12月12日 23時) (
レス) id: 937947437c (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 早速リクエストに答えていただきありがとうございました！癒されました！また更新されるの楽しみに待ってます(^^) (12月12日 22時) (レス) id: b1b3506f25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがみみお | 作成日時：2023年12月12日 11時
