少女とポートマフィア3 ページ8
ここ最近、中原中也は常に働きっぱなしだった。
先日起こった大きな抗争により、
下級構成員は減少、よって立場関係無く、
抗争の後始末に皆が追われていた。
そんな中、彼の異能力は大変重宝し、
早い話が社畜のようにこき使われていたのである。
「やあっと終わった...」
瓦礫にまみれた路地で思わずそんな声が挙がる。
後始末が終わり、あとは首領に報告すれば数日の休暇が与えられるのだ。
高級な葡萄酒でも開けて、家で思う存分
睡眠を取りたい。
泥のように眠ってしまいたい。
中原中也はただこの先にあるしばしの自由を頼りに
本部へと足を進めていた。
その時である。
まるで、タイミングを見計らったように、
否、絶対見計らって彼の携帯が鳴った。
【青鯖】
その二文字を見た瞬間に嫌な予感はした。
野性的な、本能的な部位が読むことを拒む。
ろくなことな訳がない、と。
態々、仕事用の携帯に送る辺り、拒否権を消しているのだろう。
腹が立つ、なんて可愛いものではない。
心底不快感を感じた。
「...は?」
嫌がらせか、と思った。否、嫌がらせである(デジャブ)。
内容はこうだった。
"新しい部下を拾ったから体術を仕込みたまえ。渡り廊下に居る"
「.....はあ?!」
お前いつ拾って来たんだ、芥川がいるだろ、てか自分で世話しろよ、等々
様々な不満が沸き上がって来る。
が。
「...渡り廊下で待ってるのは絶対部下の奴だけだろ」
彼奴が大人しく待っているなんて天地がひっくり返ってもねえ。
とっくにトンズラこいてるに決まってる。
長年の経験と慣れから、言う通りにしておいた方が良いと判断した。
半分やけだが。
「早く自 殺が成功すりゃ良いのに」
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作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時