少女とポートマフィア24 ページ34
織田作side
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「...太宰、本当にA一人に囮を
任せるのか?」
「あの子の強さは織田作も察して
いるだろう?
それに経験を積むにも良い機会だ」
「だが、銃器もまだ握ったばかりだ。
敵も未知数。
タヒに急がせるようなものじゃないのか?」
「とんでもないよ、織田作。
私が撃った時のあの子の反応を見ただろう?あの子の吸収速度は異常だ。
あの時、私は何の音も鳴らないように
撃ったんだ。
弾丸の音も、銃器が擦れる音も、
何もしないようにして。
だが避けた。あの子は避けたんだ。
それはどうやって?
"銃器の気配を感じて"避けたんだ。
あるいは弾の気配を感じて。
織田作との訓練という短い時間で、
銃器の、弾の気配を覚えたんだ。
それも無意識にね」
「...末恐ろしいな」
「嗚呼、面白い事になりそうだ」
戦闘に慣れており、元より高い身体能力がある上に
恐ろしい程の吸収速度で成長していく
あの少女が儚く思えて仕方ないのは、
触れられぬ程に深い闇が見え隠れして
少女を覆っているように思えるのは、
___太宰の云う通り、俺が甘い人間だからなのだろうか。
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『...』
「ば、化け物だ...!!!!!」
『貴方で最後か?
思っていたよりは少なかったな』
「ヒッ...来るなあ!!!!!!!」
男の声が途絶えた。
辺りには、少女の声と弾丸の余韻のみが
静かに響いていた。
『いくら数が居れど、それが弱い者しか
居ないのであれば何の意味もないだろうに』
そう云ってふっと溜息をついた少女の
周りには何もなかった。
否、正確には数秒前まではあった。
少女の手によって破壊されたものが。
だが、今は何もなくなっていた。
ものも、瓦礫も、"地面"も。
『!』
少女が底に落ちていく時、確かに上から
声が響いていた。
『.....嗚呼、そういう事か』
少女は、ゆるりと笑みを浮かべ、
そっと、目を閉じた。
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作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時