少女とポートマフィア20 ページ29
その男の声は、姿は、振る舞いは、いやに穏やかだった。
それこそ、初めてこの男と出会う人間は
ヨコハマの闇夜を牛耳るポートマフィアに居るとは到底思わないくらいに。
それがこの男、太宰の云うオダサクの
第一印象であった。
所謂マフィアとは無縁そうに見える
この男にも少なからず驚いたが、
それ以上に。
「やア織田作、どうやら意外にも
しぶとい捕虜だったようだね」
「嗚呼、何せ逃げ足が速くてな。
先刻漸く済んだ所だ」
「それは重労働だったねえ。
私もただの鬼ごっこは疲れるだけだから
やりたくないね」
「違いないな」
「爆弾処理とかあったら教えてよ、
私それやりたい」
「先日大幅に処理を終わらせたから
暫くはないぞ」
太宰と親しげに話していた事の方が
強烈的だった。
太宰に友人のような存在が居るのか。
そもそも太宰を友人とする人間が
この世に存在したのか。
太宰が、嫌味を入れずに純粋な自らの
言葉のみで話せたのか。
言葉にしてはいけない言葉が
脳裏に浮かぶ。
「ところで太宰」
表情には出せずに混乱していると、
オダサクと呼ばれるその男が
何やら切り出した。
「俺が銃器の扱いを仕込むという
新入りはこの少年か?」
「嗚呼、そうだ。
今日で銃撃に使えるくらいに
仕上げて貰いたくてね」
「と云うと、明日の銃撃戦か?」
「そう、それの為」
どうやらこの男は明日の任務について
知っているようで、
トントン拍子に二人で話が進んでいく。
一介の構成員に寄り添って貰う事等
期待してはいないが、
もう少し"教える・伝える"という行動を
起こしていただきたいものだ。
私がそんな事を脳内で呟いている間に
話はついたようで、
"では、後は織田作頼んだよ"と一言、
太宰は何処か消えて行った。
「そうだな...早速だが訓練に移る、
ついてきてくれ」
『了解しました』
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更新大変遅くなりましたm(__)m
そして私、受験生でして、
今後も更新は不定期に、
出来るときに更新して行く予定ですので
ご理解のほどお願いします。
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作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時