211話目 ページ17
【北 side】
遮那は、角名と同じ方向が 通学ルートやと言うた。
俺とアランは左、銀は斜め右に ここで分かれる。
……別れるのが、少し、寂しい………なんてな。
ほんで、俺は別れる前に、遮那に聞こうと思っとったことを聞いた。
「遮那、俺のプレーはどうやった？」
「信さんは、的確なフォローとレシーブが すごいなと思いました」
「ほお」
「信さんがコートに入ると、途端にラリーが長くなるのが印象的でした、
それは、信さんがメンバー全員のことを熟知されているから、
この攻撃はこの位置にボールが来るという予測をされて、
いち早く守備に就かれているからだと思いました」
「俺は、ちゃんとやることを やっとるだけや」
「それは基本的なことですが、実際に ちゃんと出来るのは難しいと思います」
「………」
「なので、私は信さんを とても尊敬します」
「………ほおか、ありがとお」
「んふふ」
俺が、いつも意識してプレーしとることが、こんなにも伝わるとは。
それが、とても嬉しくなった。
俺は、嬉しさを噛み締めつつ、もう1つ聞きたかったことを聞いた。
「遮那、もう1つ ええか」
「はい、いくらでも」
「今日バレー部全体を見て、俺らは何を改善したら ええと思うた？」
「え………」
「バレーが上手くなるように、技術を向上させるのに、
どんな練習を取り入れていけば ええと思うか意見を聞きたい」
「………」
遮那の実家は道場だと聞いた。
ほんで、遮那の身体能力は、人並外れとる。
平介へのフォローも完璧やった。
心身共に、鍛え上げられとる証拠や。
そんな遮那に、俺ら 稲荷崎高校バレー部が さらに飛躍する為に
気い付いたことを聞きたかった。
三木さんの目も確かやけど、それ以上に遮那の目は観察に優れとる。
おそらく、選手個人の改善点、練習メニューの改良点に気い付いとるはず。
中の人間やなくて、外の人間の目線で見えたものも必要やろ。
そう思うて遮那に問いかけた。
ほんで、暫く間を置いたかと思うと、遮那は口元にゆっくり笑みを浮かべながら、
はっきりと話し始めた。
「それは、部外者の私が立ち入ってはいけませんので、ノーコメントで」
絶句。
今の俺には、その言葉が正しい。
遮那の言葉が、酷くゆっくり聞こえたかと思うと、俺の耳に張り付いた。
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ほうじ茶(プロフ) - ぺーやんさん» ぺーやん様、ｺﾒﾝﾄを頂きまして、誠にありがとうございます。方言やﾛｰｶﾙﾈﾀ丸出しだなと思いながら書いているので、共感して頂けて とても嬉しいです。精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2021年4月3日 22時) (
レス) id: 09a1041857 (このIDを非表示/違反報告)
ぺーやん(プロフ) - 初めまして。色んな所でキュンキュンしながら一気読みの最中です。作者様と同郷では無く、隣の県出身ですが、ポッキンアイスもピンクの麩菓子も日常でした！方言も9割型注釈なしで読めています(笑）とても楽しい作品をありがとうございます。 (2021年4月2日 21時) (レス) id: a0bbec5215 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - おいしいくじらさん» おいしいくじら様、ｺﾒﾝﾄを頂きまして、誠にありがとうございます。うちの子に感想を頂き、感極まっております。根は良い子なので温かく見守ってやって頂けますと幸いです。精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2021年1月23日 0時) (レス) id: eb61c365e6 (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - え待ってくださいゆらちゃんが可愛すぎて頭抱えました･･･ツンデレっ子なのか･･･ツンデレ属性なのか･･･？可愛すぎますゆらちゃんめちゃくちゃ推しです(尊死) (2021年1月22日 2時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - 美咲さん» 美咲様、お名前を間違えてしまい、誠に申し訳ございません。ｺﾒﾝﾄを頂きまして、誠にありがとうございます。まだまだ続きますので、気長に待ちながらお読み頂ければ幸いです。精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2021年1月18日 0時) (レス) id: f06a076e47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほうじ茶 | 作成日時：2020年12月14日 0時
