【HQ】マドンナに狂愛されてる件【稲荷崎】

7話目 ページ9

【ゆら side】

　
『三木ゆらの独白』
　
　
　
暁遮那 は、私が[愛してる人]。

中学3年生の時、お父さんの転勤が決まって転校することになった。

東京から愛知。

せっかく馴染んだクラスの子たちと離れることになって、不安しかなかった。

すごく心細かった、すごく怖かった。

なんで中学3年生のタイミングなんだろうって思った。

そんな私を孤独から助けてくれたのが遮那ちゃんだった。

転校して、同じクラスで、隣の席で、私が不安な時声をかけてくれた遮那ちゃん。

彼女は何時でも私のヒーローだった。

彼女と出会ったのは運命だと思った。

　
　
私は遮那ちゃんと一緒に居るようにしてた。

休み時間は遮那ちゃんと話して、移動教室も一緒に行った。

少しだったけど同じ部活に入って、一緒に家まで帰った。

私の住むアパートと、遮那ちゃんの家が結構近いのも運命的だった。

時間を見つけては遮那ちゃんと一緒に居たくて、土日も遊びに誘ってた。

ちゃんと遮那ちゃんの都合を聞いて、空いている日は買い物に行ったり、

お互いの家で遊んだりした。

毎日が幸せで、遮那ちゃんの声を聞いてるだけで1日がハッピーだった。
　
　
　
遮那ちゃんから「高校は県外に行くんだ」と聞いた時、彼女の前で大泣きした。

だって、いつも一緒にいた遮那ちゃんが隣にいないなんて考えられなかった。

でも「夏休みとか帰って来るから、また遊ぼう」って言ってくれて嬉しかった。

遮那ちゃんも私がいなくて淋しいって思ってくれてたのが、たまらなく嬉しかった。

遮那ちゃんもきっと淋しいのを我慢して県外に行くんだと思った。

遮那ちゃんが頑張ってるのに、私が頑張らなくてどうするの！って気合を入れた。
　
　
　
でも、私のタイミングと遮那ちゃんのタイミングが合わなくて、1年間会えなかった。

1 年 間 も ！ ！ ！

耐えられなかった。遮那ちゃんと、長期休暇とか会えると思ってたのに！

写真だけじゃ遮那ちゃんの私を呼ぶ優しい声も、頭を撫でてくれる手も、

何もかもわからない。

　

全然満足できなかった。
　
　
　
だから、お父さんをおいて、お母さんと引っ越してきたの。

あぁ、遮那ちゃん、やっと会えた。

すっごく淋しかった。

また、私の名前を呼んでね？頭を撫でてね？

　
　
これからは、ずーっと一緒だよ、遮那ちゃん！
　
　
　

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