【HQ】マドンナに狂愛されてる件【稲荷崎】

11話目 ページ13

【銀島 side】
　
　
侑と治の喧嘩がヒートアップしたところに、北さんが来た。

北さんの周りの空気を表現するとしたら、効果音は [ゴゴゴ……] や。←


　
「お前ら、何騒いどるん？」

「「きっ北さん……」」

「なんで騒いどんのか、聞いとんのやけど」
　
　
　
もちろん、双子はすぐに怒られた。ほんまに阿呆や。

しかも、喧嘩の内容が『侑は転校生に嫌われとんのか』っちゅーとこが、しょーもない。
　
　
　
「嫌われるようなことをした覚えはあるんか」

「そんなんないです！」

「ツムは存在自体がやかましいねん」

「なんやと！？」

「ええかげんにせえ」

「「んうぃっす」」
　
　
　
ほんっまに こいつら学習せん。角名がずーっと動画撮っとるくらい茶番が続いとる。

北さんと一緒に来はった大耳さんも、赤木さんも、またかって雰囲気で呆れとった。

このしょーもない流れを変えたんは、尾白さんやった。

　
　
「侑がちょっかい出しとんのって、噂のマドンナ転校生か？」

「マドンナ転校生？」

「おん、なんや、めっちゃ可愛ええ子が転校して来たって3年でも話題やぞ」

「ほんまに、めっっっちゃ可愛ええんやで！」

「侑がそこまで言うん 珍しいなぁ」

「……侑、転校生の子に迷惑かけとんか？」

「かけてないですよ！？やって、今日話せたんも たった2回だけですし！」
　
　
　
まぁ、俺も侑が迷惑らしい迷惑をかけたところは見てへん。

ちゅーか、侑が迷惑かける隙もないくらい三木さんは教室に居れへんからな。
　
　
　
「なぁ、アラン君、誰やと思う？三木さんの『大切な人』！！」

「いや、知らへんわ！」

「だから、本当にいるかも怪しいって言ったじゃん」

「7組に行っとるっちゅーのが わかっとんのやったら、7組の子に聞けばええやろ」

「7組って進学科やから、知り合いが居らんねん……」
　
　
　
尾白さんを巻き込んで、なんや言うとると、鶴の一声がかけられた。

　
　
「ほんなら、その転校生さんに『大切な人』も一緒言うて昼飯誘ったら ええんとちゃう？」

「「……さっすが北さんや！！！」」
　
　
　
双子は顔をキラッキラさせて、はしゃいどる。

確かに ええアイディアやけど、侑が嫌われとったら成功せんとちゃう？←
　
　
　
「ま、侑が嫌いだったら いくら『大切な人』が一緒でも断ってくるよね」

「余計なこと言うなや！！！」
　
　
　
……角名も同じこと考えとったんか。←
　
　
　

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