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「第一次試験、404名。全員参加ですね」
髭が特徴の試験官はそう発言すると、先程から進めていた歩みを少し早める。
それは更に早まり、困惑した空気の中、受験者もそれに合わせ走り出した。
「ボクらもそろそろ行こうか♢」
それにこくりと頷けば、軽く走り始める。その動作を確認したヒソカも同じ様に走り出す。
試験官の話を聞く限り、これは体力と精神力のテストの様だ。第二次試験会場までずっと走らされるのだろう。
『ねえヒソカ。どれくらい走ればいいのかな』
「さあ?沢山じゃないかい♤」
『だよねえ、走るだけなのかなあ』
退屈だ、と大きな溜息をつくと、ポケットから飴玉を2粒取り出す。
片方を隣を走るヒソカの方へ掲げて、要る?と訊ねれば、ヒソカは笑顔で頷いた。
それを確認して掌に置いてやれば、満足そうに包装紙を剥いて口に放り込んだ。
そして、試験開始から、およそ二時間後。
何故だか集まる視線に歯痒さを感じながらも、黙ってとても真面目に走り続けていた。
走る事以外にする事も無く、一つ欠伸をすると、退屈そうに隣を走るヒソカがこちらをちらりとのぞき込んできた。
「眠いのかい?♡」
『ちょっとね…』
そこまで言葉を紡いでから、ふと思い出す。先程からずっと気になっていた事だ。
嗚呼そうだ、と続ければ、また発言の為に息を吸う。
『ねえ、さっきから凄く見られてるんだけど』
「そうかい?ボク何かしたかな?♧」
ヒソカは顎に手を当て、考える素振りを見せるが、どうやら何も思い付く事が無い様で、唸るばかりだ。
絶対受験者の腕を切り落としたからだろうに。
「あ、わかった♢ほら、君が」
『ヒソカと居ると目立つから、me後ろ行くね』
発言を遮る様にそう言えば、ヒソカは態とらしく眉を下げて不満そうな顔をする。
この人が言う事なんてどうせくだらないだろうし、正直注目を集めるのは好きじゃない為、早々に足にオーラを集め、後ろを確認して飛び上がる。
「その方が目立つと思うんだケド…♤」
そんなヒソカの呟きを無視して、くるりと空中で何回か身体を回転させ、ぴたりと着地する。
すると同時に聞こえた うおっという何やら聞き覚えのある声に振り返った。
そこには見覚えのある銀髪と、初めて見る三人が驚愕の表情でこちらを見据えていた。
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あるぱか(プロフ) - mikanさん» mikan様。コメント共にご指摘ありがとうございます。修正いたしますので、暫くお待ちくださいませ。 (2022年11月22日 2時) (レス) id: 815005bab2 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - コメント失礼します。試験官がずっと試験管で気になってしまいます。余裕があれば直していただきたい (2022年11月22日 1時) (レス) @page11 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - みこさん» みこ様。コメント共にありがたいお言葉ありがとうございますm(_ _)m お陰様で大変励みになります。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 (2022年5月18日 8時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです!次の更新を楽しみにしています!!(*´˘`*)頑張ってください!!応援してますっ (2022年5月18日 8時) (レス) @page31 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - オレンジさん» オレンジ様。コメント有難う御座います!イラストは頑張って仕上げた方なので大変嬉しい限りです…;; お言葉誠に有難う御座います。更新の方もゆっくりになりますが、暫しお待ち頂ければ幸いです。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます…! (2018年3月10日 20時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるぱか | 作成日時:2017年12月31日 17時