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一部始終を聞き終えたイルミはずるり、と自身の顔面から針を抜いた。すると顔は見る影もなく変形し、いつもの端正な顔立ちに戻った。
「うーん、何度見ても面白い♡」
「やってる方は結構辛いんだよね、あーすっきりした。」
両手いっぱいに針を携え、首を傾けてはバキバキと音を鳴らす。どうやら見た目以上に負担が掛かる行為のようだ。
「あ、そうだ。母さんが会いたがってたよ、A」
『キキョウさんが?meも会いたいな〜、後イルミの兄弟みんなにも!』
「ん〜それはまたいつかかな。Aが家に嫁いでくれたら別なんだけど」
淡々とした声音で突拍子もない事を言うイルミに思わず声を上げて眉を顰める。ちらりとヒソカに助けを求めるも、白けたように肩を竦めて此方を見つめるばかりだった。
『…me、イルミと恋人じゃないのに?』
「うん、母さんだって人懐っこい笑顔が可愛いって言ってたし。第一結婚って恋人同士じゃなくても出来るし、俺とじゃなくたっていいんだよ」
『…ええ、イルミはmeが来たら嬉しい?』
「嬉しいよ」
『ん〜。心篭ってないのでNGかな』
「フラれたね♡」
私とヒソカの言葉にいつもの無表情が微かに罰が悪そうに歪む。イルミは諦めた様に溜息を付けば、急に地面を掘りだした。
「まあ返事はいつだっていいから。俺、リミットまで寝るから、頑張ってね」
『me返事したんだけどな…。ばいばい』
がば、と土を被って睡眠へと移行したイルミをヒソカと眺めては近くの切り株に自身も腰を掛ける。もう一つの気配はまだその場を動いていないようだった。
「Aはこれからどうするんだい?◇」
『ポイントも集まったし、のんびりしようかな。ヒソカは?』
ちらりと相手に視線を移して、手元で2枚のプレートでジャグリングを行えば、ヒソカも此方の手元を眺める。
「適当に狩ろうかなと思って。一緒に来るかい?♤」
『楽しそうだけど、他に会いたい人も居るからここでお別れかも』
「そうかい、残念♤」
他にクラピカやレオリオ、ゴンに会えればなと思案した私は森を散策すると決め立ち上がる。ゴンに関してはヒソカと一緒に居れば出会えるかもしれないが。というか、すぐ後方の気配がもしかしたらゴンの可能性もある訳だが。
ポケットから飴玉を3個程取り出し、ヒソカへと放り投げれば受け取った事を確認する。踵を返し歩みを進めれば、振り返って手をぶんぶんと降って別れを告げる。ヒソカはというと、微笑んで小さく手を降ってくれた。
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あるぱか(プロフ) - mikanさん» mikan様。コメント共にご指摘ありがとうございます。修正いたしますので、暫くお待ちくださいませ。 (2022年11月22日 2時) (レス) id: 815005bab2 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - コメント失礼します。試験官がずっと試験管で気になってしまいます。余裕があれば直していただきたい (2022年11月22日 1時) (レス) @page11 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - みこさん» みこ様。コメント共にありがたいお言葉ありがとうございますm(_ _)m お陰様で大変励みになります。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 (2022年5月18日 8時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです!次の更新を楽しみにしています!!(*´˘`*)頑張ってください!!応援してますっ (2022年5月18日 8時) (レス) @page31 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - オレンジさん» オレンジ様。コメント有難う御座います!イラストは頑張って仕上げた方なので大変嬉しい限りです…;; お言葉誠に有難う御座います。更新の方もゆっくりになりますが、暫しお待ち頂ければ幸いです。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます…! (2018年3月10日 20時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるぱか | 作成日時:2017年12月31日 17時