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「さあ、出てきなよ♡いるんだろ?」
気配に向けてヒソカは大きな声でそう問う。けれども幾度声を掛けてもやはり反応は無く、ヒソカは腰を上げて草むらの方へと足を進めれば、がさり、と音を立ててバンダナを巻いた髭を生やした髪の長い男は立ち上がった。
あと1つの気配は警戒を見せるも動かぬままだった。
「手合わせ願おう」
「死ぬよ♤」
槍を薙ぎ払い威勢を切る男にヒソカは眉を顰めて笑ってみせる。風が木の葉を揺らすと同時に戦闘が始まった。
薙ぎ払われ、突かれを繰り返すその槍をヒソカはすんなりと避け続ける。その背中からはじわりと赤い鮮血が滲み続けていた。そこでふと後方からもう1つ、私を含め5つ目の気配を見つける。
「ヒソカ!何故攻撃してこない!」
「このまま避けていれば、君は勝手に死ぬから◇」
夥しい量の好血蝶が男の周りを飛び交う。がくりと膝を落とした男へヒソカが他の誰かに致命傷を負わされていたのではないかと指摘すれば、懇願する様に叫んだ。
「僕さぁ…死人に興味無いんだよね♧キミもう死んでるよ、目が♡」
そう言いのけたヒソカへ、男は立ち上がっては最後の力を振り絞って槍を振り上げる。その刹那、男の顔面へこれまた夥しい量の針が突き刺さった。ヒソカはそれを切り株に腰掛けて見据え、此方を一瞥しては後方へ顔を向ける。釣られてそちらへ視線を滑らせれば、見覚えの無い男が立っていた。
「油断してて逃しちゃったよ」
「ウソばっかり◇」
その声音にはっと目を見開く。
「こっちはいらないや、いるかい?A」
『イルミ!それmeのターゲットだよ!欲しいな、頂戴!』
「あれ、偶然だね。あげるよ、ほら」
再会に喜ぶ私を見据える、見慣れない男の姿をしたイルミは此方に80番のプレートを掲げてみせる。その番号にぱっと目を見開いて素直に手を差し伸べる。有難く受け取ると枝から飛び降りて二人の元へと駆け寄る。
因みにイルミは以前仕事関係で関わった事がある為面識があるのだ。
『こっちは余ったからあげるね、本当は貰ったやつなんだけど』
「プレゼントかい?ありがと♡」
『だから今度美味しいもの食べさせて』
「いいよ♤デートしよっか♡」
『デートは違うかも』
キルアから貰った為忍びなく、けれどもヒソカの事だからまだプレートは集まっていないだろうとポケットから出しては差し出す。冗談めかしく発した言葉がまさか受け入れられるとは思わず、困惑しながらヒソカからのジョークを聞き流す。
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あるぱか(プロフ) - mikanさん» mikan様。コメント共にご指摘ありがとうございます。修正いたしますので、暫くお待ちくださいませ。 (2022年11月22日 2時) (レス) id: 815005bab2 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - コメント失礼します。試験官がずっと試験管で気になってしまいます。余裕があれば直していただきたい (2022年11月22日 1時) (レス) @page11 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - みこさん» みこ様。コメント共にありがたいお言葉ありがとうございますm(_ _)m お陰様で大変励みになります。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 (2022年5月18日 8時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです!次の更新を楽しみにしています!!(*´˘`*)頑張ってください!!応援してますっ (2022年5月18日 8時) (レス) @page31 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - オレンジさん» オレンジ様。コメント有難う御座います!イラストは頑張って仕上げた方なので大変嬉しい限りです…;; お言葉誠に有難う御座います。更新の方もゆっくりになりますが、暫しお待ち頂ければ幸いです。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます…! (2018年3月10日 20時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるぱか | 作成日時:2017年12月31日 17時