【HUNTER×HUNTER】願わくば、無窮の幸福を。

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ゴン達5人と別れてからは、別に道に進められる。坂道から鉄球が転がってきたり、途中にいる試験管と勝負をしたりしていれば、長い階段に辿り着く。

『ここが一番最後かなあ』

ぽつりと一人呟くと数十段飛ばしで階段を駆け下りる。そうすれば30分も掛からず一番下まで辿り着いた。

「45番！ルスア！三次試験通過！所要時間47時間！」

上空からアナウンスが聞こえると同時にヒソカの姿を見かける。どうやらまた怪我を負っている様で眉を顰めては口元を尖らせた。

「合格おめでとう、A♡」
『じゃなくて、怪我してるじゃん』
「君に手当して貰おうと思ってね♢」
『良く言うよ。ほら、肩出して』

そう言えばヒソカは上着を脱いでみせる。上半身裸となったヒソカ近付けば、深く切れている肩口に"箱"から取り出した軟膏とガーゼを貼ってやる。

「どうだい、楽しかったかい？♡」
『ん〜半々くらい』
「そうかい、ボクと一緒なら良かったのにね♤」
『うーん…それはどうかな…』

上着を着直し質問する密かに苦い顔でそう告げる。そしてヒソカは相変わらずトランプタワー作りに勤しんでいる。私もそっとトランプを積み上げて参加してみれば、ヒソカは至極楽しそうに笑ってみせた。

『ゴン達平気かなあ』
「平気だよ、平気じゃなかったらそれまでさ♧」
「ヒソカつめたあい」
「君だってあの仲間達の誰かをを殺そうとしてるくせに♧」
『…なんで知ってるの』
「君の殺気が物語ってるよ♡」

ヒソカに指摘された事は間違ってはいないが、とても良い気分ではなかった。折角出来た初めての友達と家族達を天秤に掛けるなんてしたくなかったのだ。

ヒソカ話し続ける事数時間、あまりにも暇すぎて眠ったりはしたが、制限時間は4分を過ぎていた。ゴン達は無事に辿り着けるのかとそわそわとしていれば、残り1分でクラピカ、ゴン、キルアの姿が見える。そして残り30秒でトンパとレオレオの姿も見えた。

『わ〜！久し振り！よかったあ！』
「Aも怪我もなくてよかったよ」

駆け出しては5人のもとへと駆け寄ると、一人ずつぶんぶんと手を握る。どうやらゴンの機転で5人ともに攻略出来たらしい。

『次も頑張ろうね』

そう言って微笑めば、皆も微笑んでみせる。兎に角全員で試験に合格できた事を安堵した。

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