【HUNTER×HUNTER】願わくば、無窮の幸福を。

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凡そ3時間程歩いた頃。所々に設置されていた下に針が張り巡らされた平均台の様な道やらなんやらを乗り越え、何やら盛大に装飾された大扉に辿り着いた。隣にはスイッチらしきボタンが付いている。

『ん〜』

辺りを見渡しても道は此処以外無く一本道で、進むしかないのかと棒付きのキャンディをころころと下で転がす。思い切ってボタンを押せば、扉の開かれた先には中央に正方形の足場のある空間があった。

そしてその先には。

「あっ！A！」
『あれっ、皆！と、ジュースのおじさん』
「トンパだよ！」

嬉しそうなゴンの声と同時に現れた足場を介して皆の居る足場へと向かう。トンパの言い分は無視して、それぞれ笑顔で勝手に手を取り握手して周る。けれども、どこか若干苛立ちを残す様子のレオリオが目立った。

『何か空気悪い？』
「このトンパの野郎が態と負けやがったんだよ」
「ここでの試験は5回の内3勝しなければ進めないらしいんだ。それでトンパが1敗、たった今ゴンが1勝したという状況だ」

ぎり、とトンパを睨むレオリオの発言に、クラピカが細かい部分を補足してくれる。その後ですぐ、頭上にで聞き覚えのある雑音が聞こえた。

「さて、桎梏の道から来た45番が最終勝負で勝てば、10時間をそれぞれにプレゼントしよう。ただ、この先それぞれが別れるまでは一緒に行動するようにする事も条件だ。拒否する事も構わないが、どうする？」
『わかった！じゃあ皆と居るね』

試験官のその言葉に即諾してみせる。丁度一人行動も暇を持て余していた所だ。皆と一緒に居れるのであれば、こちらを選ぶのが定石だろう。

「有難いが、いいのか？勝てるかわからんのだぞ」
「勝つけどね！でももしかしたらAにもペナルティがかせられちゃうかも」
『いいよ〜独りぼっちより全然！』

にこりと微笑んで彼らの気遣いに対応する。気遣う様に笑顔で盛り上げれば、先程勝利したゴンと相まってか皆の空気が少しだけ軽くなるのを感じた。

「よし、次は私が行こう」

そして一段落付いた頃。そう言って足を踏み出したのはクラピカだった。クラピカは現れた足場を歩き進み、中央へと向かう。

『頑張ってね、クラピカ！』
「頑張れよ」

口々にクラピカへ応援をすれば、彼は柔らかく笑んで手を振り返してくれる。そしてローブを深く被った男と相対した。

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