【HUNTER×HUNTER】願わくば、無窮の幸福を。

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「こことここと、後こっちにも4つ」
「6つの隠し扉。こんな近くに密集してるのがいかにも胡散臭いぜ」
「恐らくこのうちのいくつは罠…」

隠し扉の場所へと案内し、その場所を説明してくれるゴンと警戒心を顕にするレオリオとクラピカ。私はしゃがみこんで隠し扉を観察してみる。

「しかもこの扉どうやら一回きりしか開かない仕組みらしいんだ」
「つまり扉は一人一つずつ。皆バラバラの道を行かなきゃいけないって事」

やはり扉を触って観察してみてもキルアの言う通り、一度に一人潜るので精一杯の様だ。それを各々察した私達は顔を見合わす。

「ゴンと俺はこの中の一つをそれぞれ選ぶ事に決めた」
「罠にかかっても恨みっこなし。皆はどうする？」

ゴンの問いに直ぐ様承諾する。レオリオとクラピカも同様に承諾した為、じゃんけんで潜る場所を決める事となった。

「1、2の3で全員行こうぜ、ここで一旦お別れだ」
『寂しくなるねえ、皆頑張ってね』
「お前もな、A」

クラピカ達に激励されて手を振って別れを告げる。全員地上で会おうと約束し、せーの、とカウントを開始する。

「1、2の…」
『3…！…あら、外れだったかな』

掛け声と同時に隠し扉の板を踏み込む。回転床が回り下階層の床へ着地し辺りを見渡すとどうやら私一人きりだった。暫く辺りを視察してつつ一人呟くと、突如ジジ、と機械音が頭上から聞こえ、反射で黙り込む。

「やあ、受験者の諸君。…と言っても、一人な訳だが。此処は桎梏の道という。足枷となるのは君か、はたまた他の受験者か…と言うわけだ」
『説明はいいから、此処を通るのはmeだけ？もう進んでいいの？』
「…ああ、道なりに進んでくれて構わない。此処を通るのは君だけだ、健闘を祈るよ」
『それはどうもありがと』

長引きそうな前振りは途中で遮り、結論だけ聞き出してみる。そうすればアナウンス越しの試験官は若干呆れた様に答えてくれる。

『さ、下で皆が待ってるもんね』

一人きりでは退屈しそうな自身を励ます様に一言呟き、桎梏、つまり手枷足枷など自由を奪うものを指す言葉だ。どうなるのだろうか、と内心わくわくとしながらその暗闇にに包まれ冷たい空気を漂わせる一本道へと足を進ませた。

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