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大鍋で卵を一斉にと茹でること数分。茹で上がった卵と市販の卵をそれぞれ手渡され、双方を比べてみてと促される。
受け取った卵の殻を丁寧に割り取り、そのまま頬張ってみれば、中からはとろりと濃厚で甘みのある黄身が溢れ出した。
『わ、とろとろで美味しい!』
「なにこれ、こんな美味しいゆで卵初めて食べたかも!」
「凄いな、クモワシの卵」
私に続きゴンとクラピカがそう続ければ、キルアや他の受験者達も感嘆の声を上げた。その後市販の卵を食べ比べてみても、その味の差は歴然だった。
「美味しいものを発見した喜び!少しは味わって貰えたかしら。こちとらこれに命賭けてんのよね」
緑髪の試験官はそう自信満々に告げる。先程の255番はその言葉にゴンからお裾分けして貰った卵を食べ、素直にも納得している様子だった。
そして各々が卵を食べ終わる頃に、試験の合否が発表された。合格者は42名。私達はメンチの試験に合格したのだった。
その夜。次の試験の場所へと向かう為再度飛行船へ乗り込んだ私達は、操縦室らしき部屋へと案内される。
目の前で先程の会長を名乗る老人が幾度か話を進めれば、最初に番号札を配っていた、豆の様な試験管らしき人物が次の目的地は朝の8時到着と告げる。どうやら、それまでは自由行動な様だ。
「ゴン!A!飛行船の中探検しようぜ」
『うん!いこいこ!』
話が終了したと同時に、キルアが探検の提案をしてくる。私は即座に乗っかり、同じく同意したゴンの腕を引っ張って船内へと駆け出そうとする。
『クラピカとレオリオは〜?』
「私達は遠慮しておこう、少し休みたい」
「お前達は本当元気だな…」
軽く引き攣った顔で呟いたレオリオとクラピカに、少し残念そうな顔を見せればくすりと笑われた。
「ほら、そんな顔しないで楽しんでこい。また明日会おう」
「じゃあな」
そう言って見送るクラピカ達に手を振り、また明日ねと大きく声を掛ければ二人も小さく手を振り返してくれる。
私達はいつも通り雑談をしながら、船内を見回し探索を開始した。
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あるぱか(プロフ) - mikanさん» mikan様。コメント共にご指摘ありがとうございます。修正いたしますので、暫くお待ちくださいませ。 (2022年11月22日 2時) (レス) id: 815005bab2 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - コメント失礼します。試験官がずっと試験管で気になってしまいます。余裕があれば直していただきたい (2022年11月22日 1時) (レス) @page11 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - みこさん» みこ様。コメント共にありがたいお言葉ありがとうございますm(_ _)m お陰様で大変励みになります。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 (2022年5月18日 8時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです!次の更新を楽しみにしています!!(*´˘`*)頑張ってください!!応援してますっ (2022年5月18日 8時) (レス) @page31 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - オレンジさん» オレンジ様。コメント有難う御座います!イラストは頑張って仕上げた方なので大変嬉しい限りです…;; お言葉誠に有難う御座います。更新の方もゆっくりになりますが、暫しお待ち頂ければ幸いです。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます…! (2018年3月10日 20時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるぱか | 作成日時:2017年12月31日 17時