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「わ!」
「ちょ、ゴン!」
何かが滑り落ちる音がしたかと思えば、そんなゴンとキルアの声が聞こえる。その数秒後、今度はレオリオのうめき声が聞こえた。
音のした方へ振り返り、小さな丘の下を覗き込み、こちらから見れば下り坂となるその場所に足を置くと、突如として腕を引っ張られる。反射的に重心を後ろへと移動させるも、重力には逆らえず、そのまま丘を滑り落ちる形となった。
『わ、わ…っ!』
片手を地面につき何とか受け身を取るも、腕は掴まれたままで自由が効かない。滑る勢いは止まってくれず、そのまま目の前のクラピカの背中へと顔から突っ込む。
『いたい』
「いや、すまん。反射的に掴んでしまった」
クラピカは申し訳無さそうに眉を下げ、苦笑しながらそう言う。吃驚はしたが特に怪我も無く、何の問題もない為、いいよ、なんて小さく呟けば、ふとレオリオ達に肩を叩かれる。
「おい、あれ」
『なんか、骨咥えてるね』
「肉食か…?」
警戒した様子のレオリオの指差す先に目を向ければ、私の身長程大きな、そして鼻が大きく発達した豚達と目が合う。
「な、なあ。こっち見てねえか?」
『見てるね』
「あの豚を持っていけばいいのかな?」
若干の動揺を見せるレオリオとクラピカをよそに、私とゴン、キルアは呑気にもその豚を観察する。
すると、豚が一つ鳴き声を上げ、それに続き他の豚達も鳴き出す。身の危険を感じ、クラピカに寄り掛かったままの体制から立ち上がり、少しだけ豚との距離を取った。
「避けろ!」
キルアのその声を合図に、豚が一斉に、此方へと突進するように駆け出してくる。
腰を折り、バク転の要領で突進を避けると、豚の頑丈な鼻同士がぶつかり合う音が響き渡り、私はどうしたものかと豚に目をやる。
「A!」
「置いてくぞ〜!」
『あ、わ、待ってよ〜』
いつの間にかに走り出していたゴンとキルアに大声で名を呼ばれ、はっと振り返る。レオリオとクラピカも既に走る体制を取っており、豚はというと、此方を標的にまた突進しようとしていた。
仕方がない、と、急かされるまま、四人を追い掛ける様に駆け出した。
____
皆様、長らくお待たせしてしまって申し訳御座いません;; リアルの方が一段落つきましたので、今までの様に更新させて頂きます。
前回更新したMemory Fragmentは、以降このお話が進む毎に、昔話等ちょっとした小話を書いていこうと思っております。
それでは、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
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あるぱか(プロフ) - mikanさん» mikan様。コメント共にご指摘ありがとうございます。修正いたしますので、暫くお待ちくださいませ。 (2022年11月22日 2時) (レス) id: 815005bab2 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - コメント失礼します。試験官がずっと試験管で気になってしまいます。余裕があれば直していただきたい (2022年11月22日 1時) (レス) @page11 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - みこさん» みこ様。コメント共にありがたいお言葉ありがとうございますm(_ _)m お陰様で大変励みになります。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 (2022年5月18日 8時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます!とても面白かったです!次の更新を楽しみにしています!!(*´˘`*)頑張ってください!!応援してますっ (2022年5月18日 8時) (レス) @page31 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - オレンジさん» オレンジ様。コメント有難う御座います!イラストは頑張って仕上げた方なので大変嬉しい限りです…;; お言葉誠に有難う御座います。更新の方もゆっくりになりますが、暫しお待ち頂ければ幸いです。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます…! (2018年3月10日 20時) (レス) id: fbddfe63cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるぱか | 作成日時:2017年12月31日 17時