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拓也に大人しく着いていくと見慣れない風景が目に映る。
やたらと横文字や金額が並べられていて嫌な感じがした。
ここに来るまで抵抗しなかった分、今の拓也には油断がある筈だ。
勢いよく手を振り払うと束縛されていた手がやっと開放された。
『っ!!』
拓也「あっ!おい!!!」
捕まってたまるか。
やっと手に入れたチャンスを逃すまいと必死に走って逃げる。
…が、裏道に入ったところで追いつかれてしまった。
拓也の機嫌を損ねた事もあり、振り出しよりも最悪な状況だ。
拓也「テメェ…あとで覚えてろよ。」
『……。』
《チャリ…》
私の鞄に付いていたストラップが音を立てる。
そうだ、類くんからもらったスタンガンがある。
まだ手は打てるんだ。
だがこれは本当に死なない程度の物なのか…?
類くんを信用してない訳じゃないが、こういった物を扱うのは生まれて初めてだ。
拓也「行くぞ。」
そうこうしていると、黙ったままの私に痺れを切らしてまた強引に引っ張られる。
考えてる場合じゃない。
今は自分の身を守らないと。
拓也が先頭を切ってるため、大きな動きをしなければ後ろで私が何かしていても気づかれない。
空いてる手でスタンガンを外してロックを解除する。
(このボタン押したらいいのかな…。えいっ。)
《バチン》
拓也「う゛っ…あ………。」
ドサッという音を立てながら拓也は倒れた。
まさかこのスタンガンが役に立つとは思わなかったが、類くんには感謝だ。
(てか、え?死ん…じゃった?嘘…。)
『ね、ねぇ。』
拓也を起こして頬を叩くが全く反応がない。
(脈は……。)
脈を確認しようとするが手が震えて上手く確認できない。
(どうしよう、どうしよう…。防衛反応とはいえこんなところ誰かに見られたら間違いなく通報される。)
類/司「Aくん/A!!!」
『あっ……。』
1人で焦っていると大きな声で名前を呼ばれ、肩が大きく跳ねた。
私と目が合うと2人は駆け寄って来た。
類「大丈夫かい?」
司「何があった。」
2人は私を心配してくれてるが、私はそれどころではない。
『わ、私…ころ、ころ…しちゃっ……。』
精一杯に伝えたいことを口にすると類くんが拓也の首筋に手を当てた。
類「大丈夫、生きてるよ。」
『よ、良かったぁ……。』
類「死/.んでくれても良かったんだけどねぇ」ボソ
司「ひぇ…。」
『何か言った?』
類「何も言ってないよ。」
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のんちゃん - 気持ちよくなる薬……?しゃかしゃかいってる……。( ゚∀ ゚)ハッ!ラムネだ!!((((((絶対違う (2021年3月15日 18時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - のんちゃんさん» お仲間さんがいて嬉しいです・・・ (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - rinr32さん» そう言っていただけて嬉しいです・・・!更新頑張りますね! (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - 類くん……黒いねぇ…((好きだけど…ボソッ (2021年3月10日 6時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
rinr32(プロフ) - う゛あ゛あ゛ぁ゛!続きが気になるーー!(^q^) (2021年3月8日 19時) (レス) id: 3bcf1f7b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のあ | 作成日時:2021年1月7日 15時