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『んーーっ、帰ってきたー!!』
翌日。
嵐がすぎたことで、予定通り迎えの船が来て各自無事に家に帰れた。
いろいろあったけどみんなと充実した時間を過ごせて、まだ夏休み中盤だと言うのにもう満足した気でいる。
また明日からショーを再開するから、今のうちに溜まっていた宿題をやっておこう。
(…あ、この問題司くんが前に教えてくれたやつだ。)
『……。』
司くん、私のどこに惹かれたんだろう。
成績はまあまあいい方だとは思うけど、それ以外はこれといって取り柄はない。
顔もモデルの人なんかと比べたら平凡だ。
気が利くいい女でもない。
わからなければ本人に聞くのが1番だが、振った相手に「私のどこが良くて好きになったのか」なんて図々しく聞けるわけが無い。
(考えててもキリないか。)
気を取り直して宿題に取りかかろうとするが、変に意識してしまって時の司くんが浮かんでくる。
こんな調子じゃ明日のショーに支障が出てしまう。
宿題がひと段落着いたら気分転換に寧々ちゃんにゲーム誘ってみようかな。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
寧【そこ、いる。】
『ん。…よし当たった!これで寧々ちゃんのおかげで5連勝だ!』
今は寧々ちゃんと通話をしながら対戦ゲームをしている。
会ったばかりの時も一緒にゲームはしてくれていたけど、通話まではしてくれなかったな。
今はしてくれるということは馴染んできてくれたのかな。
寧々母【寧々、類君来てるわよ。】
寧々ちゃんと話していると、寧々ちゃんのお母さんが部屋に訪ねに来たらしい。
「類君」という名前を聞いて心臓がドキリと跳ねる。
類【お邪魔します。この間言っていた映画のDVDを持ってきたよ。】
寧【ありがとう。…ごめんAさん、一旦切るね。】
『あ、うん。またね〜!』
明るい声音で言ったが、そう聞こえていただろうか。
そう思うのは寧々ちゃんに嫉妬してしまったからだ。
そりゃ家が隣同士で付き合いがながければ、気軽にお互いの家を尋ねることはあるだろうけど。
こんな些細なことで寧々ちゃんに嫉妬した自分が醜く許せないでいる。
(私こんなに性格悪かったかな……。)
気分転換に始めたゲームが自己嫌悪で逆効果になってしまった。
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のんちゃん - 気持ちよくなる薬……?しゃかしゃかいってる……。( ゚∀ ゚)ハッ!ラムネだ!!((((((絶対違う (2021年3月15日 18時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - のんちゃんさん» お仲間さんがいて嬉しいです・・・ (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - rinr32さん» そう言っていただけて嬉しいです・・・!更新頑張りますね! (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - 類くん……黒いねぇ…((好きだけど…ボソッ (2021年3月10日 6時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
rinr32(プロフ) - う゛あ゛あ゛ぁ゛!続きが気になるーー!(^q^) (2021年3月8日 19時) (レス) id: 3bcf1f7b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のあ | 作成日時:2021年1月7日 15時