なんとなく。2【神代類】

54 ページ5

あれから瑞希と仕上げ作業をし、今日は遂に衣装を着てのリハーサルだ。

実は作っていた私も衣装は今日初めて着る。
一体どんな感じなのだろうか。
類くんのも気になるところだが…。

私用に作られた衣装に腕を通す。
着替え終わり、自分の姿を鏡で確認する。

決して際どくはないが、臍や肩が出ている。
ボトムスはシースルーの素材で脚が透けて見え、大きめのフリルが付いている。
そしてフェイスベールを身に付け、顔がはっきり見えないようになっている。
イヤリングやネックレスも煌びやかで豪華な印象だ。

少ない役だというのに随分と手が込まれている。


え「Aちゃーん！！」

寧「A、着替え終わった？」


先に着替えを済ませた寧々ちゃんとえむちゃんが様子を見に来た。

慣れない服の形をしたので着替えるのに時間がかかり、待たせてしまっていたのかもしれない。
そう思い、カーテンを開けて身を乗り出す。


『あっ、うん！
ごめんね、待たせちゃった？』

寧「なっ…！？」

え「うわあああ…！
Aちゃん綺麗〜！」


寧々ちゃんは少し頬を赤らめ、綺麗だと言ってくれるえむちゃん。
そんな反応をされるとこちらまで照れてしまう。

寧々ちゃんもエメラルドを基調とした似たような格好だというのにな。
違うとすれば、寧々ちゃんの衣装はシースルーの袖がありボトムスは透けていないということだけ。

えむちゃんはショート丈のTシャツの上にベストを来ている。
えむちゃんのTシャツも、腕をあげたらお臍が見えてしまいそうだ。
頭には綺麗な羽にジュエルが付いたターバンを、顔には可愛い髭が付けている。


『そうかな…。ふふっ、ありがとう。
でも、2人も似合ってて可愛いよ。』

え「えへへ☆
それじゃあ司くん達のところに行こー！」

55→←53 類side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す