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今朝の予兆は当たってたようで、話しかけてきたお客さんは私の元彼、拓也だった。
この辺りにはフェニックスワンダーランドくらいしか遊園地はない上に、こういうバイトをしていればいずれかは知り合いに会うかもしれない。
けどだからって険悪な別れ方をした元カノにわざわざ声をかけるか、普通。
あ、こいつが普通じゃないのか。
拓也「え、何。お前ここでバイトしてんの?」
『…そうだけど、だから何。』
拓也「ふーん……。」
聞いてるのか聞いてないのか、適当な返事をして人の体をジロジロと見てくる。
この衣装にも慣れてきてはいるが、こうまじまじと見られると気恥ずかしくなる。
『な、何なの。営業妨害だからさっさと帰ってくれる?』
拓也「…なんか、すげーエロいな。体付きとか中学ん時と全然違う。」
『は?人の話聞いてんの?帰れっつってんの。』
嫌いな人と話してるからか、自然とトゲのある言葉になってしまう。
でもこれで幻滅して去ってくれればいいとさえ思う。
拓也「うん、聞いてる。…なんか今のAとなら上手くやれそうだなって思ったんだけど、また俺とやり直さない?」
自分から振って自分からやり直してくれだなんて、そんな都合のいい話があるか。
また私はお前に振り回されなきゃいけないのか。
(…ふざけるな。)
拓也の彼女「ねぇ拓也〜、まだ終わらない?」
拓也「すぐ終わるから、もう少しあっちで待っとけ。」
様子を伺ってきた女性が拓也の言う通りにして離れた所で待機する。
『…あの人、彼女さん?』
拓也「あ?そうだけど。」
こいつ、彼女がいるってのに私にやり直そうなんて言ってきたの?
『…あんた、ん!?』
拓也「〜♪」
私の言葉を遮るようにキスで口を塞がれた。
《パンッ》
『最低…!』
乾いた音が思ったより辺りに響き渡り、彼の頬を叩いた右手が痛い。
類「…Aくん?」
騒いでたから心配しに来てくれたのだろうか。
類くんが様子を見に来た。
類「……お客様、大変申し訳ございません。本日の演目は全て終了致しました。間もなく閉園のお時間になりますので、お気をつけてお帰りください。」
『あっ…。』
類くんは拓也を一瞥し、そう告げると私の手を引いて舞台裏まで連れてきてくれた。
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拓也さんは見た目チャラくて中身は猿な感じです。
胸糞かもしれないです、すみません。
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のんちゃん - 気持ちよくなる薬……?しゃかしゃかいってる……。( ゚∀ ゚)ハッ!ラムネだ!!((((((絶対違う (2021年3月15日 18時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - のんちゃんさん» お仲間さんがいて嬉しいです・・・ (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - rinr32さん» そう言っていただけて嬉しいです・・・!更新頑張りますね! (2021年3月15日 6時) (レス) id: 4585a974aa (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - 類くん……黒いねぇ…((好きだけど…ボソッ (2021年3月10日 6時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
rinr32(プロフ) - う゛あ゛あ゛ぁ゛!続きが気になるーー!(^q^) (2021年3月8日 19時) (レス) id: 3bcf1f7b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のあ | 作成日時:2021年1月7日 15時