.*Fragile.*【sho.hirano】

電話-sho.h- ページ8

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仕事が思ったよりも早く終わったこともあって、

１人になった車内で、Aに電話をかけた。









すると、電話越しに響いた男の声。










どこかで聞いたことのあるその声は....

案の定、Aの元カレのあの男。









初めて会った日から、あいつだけは

気に食わなかった。








そして今、酔ってるAを介抱してるのが

その男で、２人っきりでいるその状況に、

変な胸騒ぎがして落ち着かない。









急いで車を走らせて、指定された場所へと向かう。









しばらくすると、歩道のベンチに座っている

２人の姿が目に入った。









男の肩を借りて、すやすやと眠っているのは、

......紛れもなく彼女.....









そして、その男は、

Aの髪を優しく撫でると、

ゆっくりと顔を近づけていく。









その様子を見て、俺はすぐに車を飛び出した。









紫耀「気安く触んな.........っ」









そう言って男の腕を掴んで体をAから離すと、

男は、俺の顔をみて驚いた。













祐也「........平野....くん......？」










俺は何も答えず、Aを抱えると、

車へと乗り込ませた。









祐也「これは驚いたな......

まさか、君が彼氏なんて.......」









驚いたのなんて最初の数分で、

今では冷静な態度で余裕を見せるその男。









紫耀「Aは俺のだから」









かけていたサングラスを外して

男を睨みつけた。









だけど、余裕な態度でその男は、俺を見つめ返す。









祐也「どうかな？彼女は君の所有物じゃない」









なんだよこいつ........喧嘩売ってんの？














祐也「それと......あんな目立つところに

キスマークをつけるのは、控えた方がいいと

思うけど」









見下すように、冷静に俺に忠告してくる。









紫耀「変な虫がつかないように

つけたつもりなんだけど......



.................足りなかった、かな？」









俺がそう言い残すと、少しだけ

動揺したように睨み返してきたたその男。









俺は、再びサングラスをかけると

車に乗り込み、そのまま車を走らせた。

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