.*Fragile.*【sho.hirano】

気付いた気持ち ページ40

ずっと、ずっと







紫耀のことを忘れることが……







考えないことが、強さだって思ってた。









だけど、そうじゃない。








紫耀への思いは、

どんなに頑張っても消えるものじゃない。









むしろ離れれば離れるほどに、

その思いの大きさに気づかされた。









“紫耀のことが.......好き"







それが答えだった。








たくさん悩んでたくさん考えて



考えれば考えるほど





一番大切なことを見失ってた。









一人で塞ぎ込んで、誰にも相談せず.......


自分で解決しようとした。









手を伸ばせば、

あたしの周りにはたくさんの人がいたのに、







その人達に心を開けなかったことが、

あたしの弱さ。









大切な人に……



紫耀に、









素直な気持ちを言えなかったことが、別れの原因。









紫耀と倉橋さんとの関係なんて、

ただのきっかけにすぎなかった。









そんなことが問題だったんじゃない。






あたしが、変わらなきゃいけなかった。






弱い自分を乗り越えなきゃいけなかった。









そしてこの弱さを乗り越えた先に見えてくるのは、



紫耀との別れじゃない。









　 “彼との未来”






やっと気付けたんだ。








不安も寂しさも、紫耀を愛した証拠。




幸せも愛しさも、紫耀がいなきゃ意味がない。









あたしの想いが彼にとって重荷かどうかなんて





そんなこと





あたしが決めていいことじゃなかった。









紫耀の気持ちは、あたしには分からない。





だからこそ、伝え合うことが大切なんだ。









紫耀はいつだって..........伝えようとしてくれてた。




あたしに真っ直ぐ、向き合ってくれてた......








どうしてそれに..........気づけなかったんだろう。









彼が勇気を出して伝えてくれていた想いに、


どうして答えなかったんだろう.........









あたしは今でも紫耀が好き。






たとえ紫耀の気持ちが変わっていたとしても……









あたしは彼に会いにいく。









あたしは走った。




ただひたすら……



あなたに会うために...........









今なら、




「会いたい」も「大好き」も





なんだって言える。








そんな気持ちに、やっとなれたんだ。

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