.*Fragile.*【sho.hirano】

結婚式 ページ4

A「時間.....ないからっ........」





そう言うと、動きを止めて顔を覗き込んでくる彼。









紫耀「時間あれば、いいんだ.......」





意地悪な表情で見つめてくる。









A「それはっ////////..........まぁ」




雰囲気に流されそうになってたのは事実だし、

否定はできない。





紫耀「まぁいいよ..........."跡"もつけれたし」





さっきまでの強引さは何だったのか。

案外すっと引かれて拍子抜け。






あたしは紫耀に見送られながら玄関を出ると、

急いでエレベーターに乗りこんだ。







鏡で身だしなみチェックをしていると、

首筋に目立つ、赤い跡に気がつく。





ん！？！？！？


これって........キス、マーク！？！？





別れ際の満足そうな表情と

紫耀が言った言葉の意味をようやく理解して、

思わず、ため息が出る。






やられた........もうっ.....





相変わらず、あたしを困らせることばかりして

反応を楽しむ紫耀。





それに易々引っかかってしまった自分を

情けなく思いながら、あたしは美容室へと急いだ。









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綺麗な青空のもと、行われた結婚式。




友達や家族、沢山の人達に祝福されて、

愛美はとっても幸せそうだった。






今までも愛美は、美人でスタイル良くて、

あたしの自慢の親友だったけれど、






ウェディングドレスを着た今日の愛美の姿は

本当に綺麗で、息を呑んだ。








女の人ならきっと........

一度は憧れる、ウェディングドレス。









結婚式なんて、恥ずかしくて柄じゃないけど......

それでもドレスは....着てみたいなって........

そう思ってしまうのが女心。







愛美が幸せそうな姿を見ていると、

本当に嬉しくて......






愛美のご両親が涙を流して喜んでいるのを見ると.

あたしも早く結婚しなきゃな、なんて......



そんなことを思ってしまう。









今の紫耀との関係に........

満足してない訳じゃない。









好きな人がいて.........


沢山の愛情を注いでもらって.......






それ以上何も望まない。








そう思ってたはずなのに........






人って欲張りだよね。


どうして今、

こんなに、虚しい気持ちになるんだろう。









愛美が手に入れた幸せは、

あたしの近くにもあるようで、

でも絶対に手に入らないもの........

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